育児を「二人だけの保育所経営」と考えてみる

「育児」を「保育所の共同経営」に変えてみることで、すこし前向きになれそうな気がしませんか?

余計面倒そう?

昨年、国内で生まれた赤ちゃんが約100万人。言い方を変えれば、たった一人のための24時間私設保育所経営に乗り出したママ起業家100万人なわけです。(厳密にはもっといますが)

とはいえ、保育所ではお客様は好きにおしっこしたりうんちしたり、ミルクほしー!と泣き叫べば、もう乳イランーーとわがまま放題。そんな可愛い客人に24時間笑顔で対応する過酷なサービス業とも言えます。

その上、コスパを考えたオムツやミルク選び、そして3時間おきに授乳。

実際に飲み終えて寝るまで1時間はかかるとしたら、連続睡眠時間は2時間弱。

全てのお母さんは、この時期を乗り越えているんですね。

ましてや年子だったり双子だったりすると、苦労は簡単に倍増するわけです。
双子かわいいー。とか思ってしまいますが、想像を絶します。ただひたすら尊敬です。

子供がおおきくなれば、着れなくなった子供の洋服をメルカリで売り買いしたりと、家計をやりくりしながら、マネジメントをしなくてはなりません。

でもって、これだけのマルチタスク管理や人材育成をこなしても、誰からも「頑張ったね」とは褒められない事業。まさに上のビデオのようです。

時限つき共同事業体

子供が一定の年齢に達するまでは、夫婦は育児共同体として子育てクエストを放棄するわけにいかないんですね。

とはいえ、逆に言えば、子供が巣立つ20年間くらいの共同事業とも考えられます。

僕らの多くはまさに戦前から高度成長期にかけて封建的大家族制度から一気に核家族化した後の世代。

うちも父は働き、母は子育て。一家の大黒柱としての家父長制度的な名残だけは残っていたので、パパの尊厳を保ちながら、マイホームに家族四人という、当時標準化された団塊世代的ライフスタイルを通過してきたわけです。

男子厨房に入らずを見て育ってきたので、今時代、家事を強要されると、「そ!それは。。俗に言うカジハラか?!」とか思ってしまうのですが、もう、そんな時代じゃないんですよね。

で、ここは、後ろ向きにならず、粛々と子育てをしているお母さんと一緒に攻めの姿勢で、どこよりも素敵な保育所作るぞ!的な気持ちで子育てをしよう。という狙いです。ついでに、創業や起業の知識や考え方を一緒に学べれば一挙両得なわけです。

そこで、家族事業である私設保育事業の心得を考えてみました。

(手前味噌ですが)いつも「シゴトを創るゼミ」で使っているものの、保育バージョンでどうぞ。

私設保育事業3つの心得

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義務的に「Have to」ではなく、どうしたら「Want to」に変わるか?

育児は仕事であり情報戦なので、周りの子育て先輩にOB訪問しながら、「便秘しないためには、<すこやか>か<はぐくみ>か<ほほえみ>か? それとも<はいはい?>」など、他の保育所の成功事例を戦略的にリサーチするわけです。
義務と思った瞬間に負けです。やらされているのではなく、夢のある共同事業の経営者として、「外注するくらいなら、自分らでやって、会社大きくするぞ!」くらいな野心をバネにやった方が、男子的には盛り上がります。
ついでに、IoT時代なので、ベビースケールや心拍計付きベビーベットを作ってレンタルしたら売れるんじゃないか?みたいな、攻めの妄想してみるのです。課題の裏には事業ありです。

ひとりでやらない

共助の地域社会やシェアエコノミーはまだ機能していないので、当座二人で乗り越えるしかないのですが、今時のスタートアップはお金をかけずスモールスタートが鉄則です。

僕らには、無料で雇用できるGoogle先生やYouTube先生という強い味方がいるので、集合知を仲間にしながら、孤独な戦いを乗り切るわけです。
(今取り組んでいる家族型シェアハウスへの挑戦もありますが、それはまた別の機会で)

できることから始める

で、そうした情報から、今すぐできることを試しながら、こまめに戦術変更する。というリーンスタートアップの視点を導入します。

ミッション(子供のすこやかな成長)はぶらさず、ゴールに向かうための方法を柔軟に変えてみればいいんです。
抱っこ紐は、「横抱き」か「さかさ抱き」かとか、YouTube見ながら試行錯誤を繰り返せるのは、すごい時代です。迷ったら、本来のミッション(そもそも何のためにしてるんだっけ?)を振り返る。これも起業論と同じです。

子供の病気など、あまりググらない方がいい場合もありますが、同じ悩みを抱えたお母さんの育児日記などは、本当に勇気をもらいます。

最近のスタートアップと同じで、資金繰りから事業計画、事業アイデアを完璧にしてから起業するのでは遅く、始めながら、細かくフィードバックして成長していくのが正解です。

多くのお母さんはすでに起業家だ

日々、自分で課題解決を試行錯誤してこなしている姿は、起業に向いていると言えます。

前述のビデオではないですが、栄養学から、経済学、交渉力や判断力。私的な欲求を滅して24時間休みなく続ける力があることは、本当にすごいこと。

なのに、女性が再就職や起業というと、すごく構える。また、できないと思ってしまう。

彼女らの実践的課題解決能力や、悩みながらも一人の子供を成長に導く人材育成力やマネジメント力はもっと評価されるべきだとおもいます。自信持ってください!

起業だって、大成功がゴールではないように、普通に持続的であればいいんです。

子育ても特殊な能力ある子供を育てるのではなく、普通に持続的に成長を見守ることだって十分素晴らしいこと。

起業の世界では<創業後の3年以内の廃業率が70%>と言われていますが、3年で育児やめるお母さんは7割もいないわけです。

起業セミナーに来てくれる、お母さん世代の人たちには、直感的に資質を感じますが、もっと日本も女性やお母さん世代の起業や活躍の機会が増えるといいと心から思います。

そんなお母さんのカウンターパートナーとして、共同事業体の経営者としてのパパ。というポジション。

そのうち、欲を出して事業を多角化させて、パートナーと一緒に好きな暮らし方や働き方を実現する事業体になればいいですよね。

僕的には夫婦事業がこれからのトレンドだと思うのですが、皆さんはどう思いますか?

(スライドの可愛い赤ちゃん素材は〜「イラスト 赤ちゃん フリー素材 by i_caffe」からいただきました。)
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