思い通りにならないこと。

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うちの子供は難しい疾患を持ってしまい、生まれてすぐ鼻や口、身体中に管が繋がれて、身動きのできない苦しい誕生でした。

「麻酔も効いていて、本当ならばこんなに動かないんですけどね」と先生の言葉を尻目に、思いっきり泣きたいのか、体だけ必死にバタバタさせてさせている子供を見て、必死に生きようとする子供が無条件に愛おしく感じたのを覚えています。

まだ完治したわけではありませんが、普通に抱っこして、ミルクあげて、排泄できている日々だけでも感謝できることを教えてくれた気がします。

人生は苦なり

赤ちゃんを見ているとどんな大人も、初めはみんなこうだったんだろうなと思います。

赤ちゃんは王様ではなく、極度に脆弱で他人に依存している存在。

でも、それが人間の本質なのだと思います。

赤ちゃんを見ていると、無条件で愛し愛されることの意味を教えてくれます。

それは、かつてそうだった、あるべき自分の本当の姿を見るからかもしれません。

同時に赤ちゃんに限らず人の本質はお茶目で愛おしいもので、人に依存する生き物なのだと知ります。

お釈迦様は「人生は苦」と説きました。それは、すべては「自分の思い通りにならない」ことを示しています。

でも、人は物心着くと、自分の思い通りに生きたくなる。なぜか神や全能感を求めて苦しみます。

アドラーは、人の苦悩のほとんどは対人関係にある。といいましたが、それも他人を思い通りにコントロールしようとして、うまくできないことに苦しくなることから来ているのだと思います。

自分のことも思い通りにならないのに、ましてや他人はもっと難しいものです。

苦しさの原因

思い通りにならないことが苦しいのではなくて、それに気づかないから苦しいのだと思います。

自分の不完全さを認められず、それではいけないと思い込むから苦しいのだと思います。

人が孤独を感じるのは、「自分だけ」と思い込んでいるから。みんなが孤独であることに気づけば苦しさは減ります。

人は皆、思う通りにならない苦しさを日々抱えていることに気づけば、分かり合えると思います。

他人と自分は何ら変わらない存在。つながった生命体の一部。

なんて言いながら、そんな風に思えないのも人なんですよね。

結局、人に迷惑や助けを求めてはいけない。助けを求めると「負け」のように教育されてきてしまったこと。

先生の答えられないことを質問しないお利口さんを是とし。受験項目に含まれない、人間の本質的な疑問やルールは、あえて考えないようにすら構築されている。と言ったら疑いすぎでしょうか?

すべては教育のせいとは思いませんが、戦後僕らが受けてきた「学び」は何を目的としていたんだろう。と改めて思います。

これからの学びについて

子供が生まれてから、これからの10年後20年後の暮らし方、働き方、そして学び方について日々よりリアルに考えるようになりました。

普通に持続可能に生きることすらがテーマの時代。

これからの学びの本質は万能を求めず互いの違いを認め合い、そしてそこに違いはないことに気づき、協調しあって生きる技法。ともに先生になり生徒になり、お互いで助け合い学ぶ時代なのだと思います。

大学入試ですら、お互いが得意分野で点数を取り合って、みんなでシェアして同時入学してもいいと思います。

学校では習わないことを見つけたら、受験科目でなくても、学び没頭する機会を見つけたらいいと思います。

フラットにオープンに、お互いがシェアして学ぶ場。

自立分散協調で成り立ってきたインターネットそのものが学び場のヒントだと思います。

知りたい時に検索すれば教えてくれます。

知識は価値ではなく、その知識を使って成し得る目的や意図に価値があります。

人工知能の時代、ますます知識ではなく知性が求められるはずです。

知性とは、子供のように世界を好奇心でまっすぐ眺め、疑問を持ち、問いかけあうことから生まれると思います。

これだけ分断し争いあっている人間社会では人工知能に知性が負ける未来もすぐそこです。

人生はゲーム

思い通りになることが自由やゴールではなく、思い通りにならない苦しさもって生まれてきたことに気づき、無駄な努力から自由になること。

そして、そのゲームの中で葛藤やクエストをいっぱい味わって、そのゲームの「本当の意味」を見つけることがゴールなのだと思います。

国語算数理科社会。それが悪いのではなく、それらの学びを総動員して、そして仲間と協調して、自らのクエストを見出すこと。

本当の苦しみを理解して、心を解放して穏やかに笑って過ごせる人生を見出すこと。

その先に国家やコミュニティを超えて戦争や飢餓がなくなる社会を生み出せればいいのだと思います。

そんなオルタナティブであり、本来の学び場が作れればと思います。

なければ創る時代ですね。

あ、赤ちゃんがちょっと微笑んだ!

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