MASTER COMPRESSORの美味しい設定
先日のPropellerhead Producers Conference Tokyo 2009でmarimoRECORDSの江夏さんが、HOUSEのトラックメイキングで披露してくれた、Recordの目玉とも言える伝説のミキサーSSL 9000 Kのマスターバスコンプの決め打ち方法。
昨年のプロコンで江夏さんのむちゃくちゃわかりやすい講座を見て以来、今回もこの講座を楽しみにしていたのですが、やはりわかりやすくてすばらしい。脱帽でした。
音楽ソフトに限らず解説本や講座に求めるのは、アプリケーションの操作方法よりも、クリエイターが現場で見いだした使い方。それが多少偏っていても、それを知りたい。デモの素晴らしささは、そうした使える実践的テクニックが盗めるところ。
今回も本当に行った価値ありました。
設定方法
さて、少し補足しておくと、コンプレッサーは簡単に音圧を持ち上げられるように思えて、意外に難しく。下手にいじってしまうと無駄に音を悪くしてしまいます。
アタック、リリース、レシオの数値を固定
- ATTACK [0.1] 固定
- RELEASE [0.1] 固定
- RATIO [10] 固定
THRESHOLDを調整する
THRESHOLDを左右にいじりながら、魚釣りをしているときに浮きが「ぴくっ、ぴくっ」と、小魚がつついているくらいかすかにdBが動くポイントを探す。
MAKE-UPで良さげな音に音圧調整する
最後にMAKE-UPを動かしながら出音が良さげなところを探して音圧調整して終了。
これでキックの音が持ち上がって全体的に厚みが出ます。
かといって、エンジニアでもないので、理論は追求したくない。なので、デフォルトが常なのですが、でもやはり、コンプは最後の迫力を決めるので、らくちんに理解したい。という要望に答えてくれたのが、今回の手順。特にキックサウンドを重視したいときの設定です。
まとめ
- 固定する数値はキャプチャの通りに設定。
- THRESHOLDでdB調整ポイントを探す。
- MAKE-UPで出音が良さげなところを探して完了。
うむ。なんてわかりやすいんだ。これなら、誰にでもできる!
これくらい、ぶっちゃけわかりやすい解説ってなかなかできないんですよね。
こうした指針を軸に自分らしい設定をさがしていければいいんだと思います。
毎回惜しげもなく技術を伝承してくれる江夏さんには、本当に感謝。