めがね橋のたもとで

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ヒグマに注意と書かれた看板を尻目に口笛を吹きながら薄暗い林道を抜けるとこの橋が出迎えてくれる。
タウシュベツ川橋梁
今では廃線になった国鉄士幌線を支えたアーチ橋。
資材を調達しなくても手に入るという理由で砂と砂利でつくられたコンクリート製の橋も自然とともに風化され、また地元の人もあえて修復することなく見守っているのだそうだ。
地元の人の話によると例年だといまごろの秋口には水位が増して湖面に沈むらしく、ゆえに幻の橋ともいわれるらしい。
見渡す限り誰もいない湖にかかる朽ちかけた橋。その袂でなぜか1時間ほど眠ってしまった。
本来僕の眠っている場所も水面の下なのかもしれない。
そんなことを思いながら。


そういえば、地元の人がヒグマにあわないために、ラジカセで音楽をジャンジャン鳴らしながらいくといい。といっていた。
森の奥でひとりヒップホップしている姿を想像しておかしくなった。

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