『求めない』 加島祥造
日々の生活の中で、僕らは沢山の情報を求めているけれど、大切なことは得ることではなくて、根付かせること。
たとえばこうやってブログに書くときも、気持ちに根付いた情報を発信しないと、言葉が育っていかないのだとも思う。
それは植物と同じなのかもしれない。
沢山の本にも出会うけど、この本は忘れかけた頃に心に根をはって芽を出しそうな、そんな一冊。
印象に残った一節
「求めないーーー
すると
自由を感じる
その自由から
エナジーが沸く
「求める」から
「求めない」にはいったとき
数々の可能性が開けるんだーーー
求めないで
静かにいる
それがこの世にやすらぐことだ
簡単なことなのだ
著者も繰り返しているけれど、「求めない」ということは難しいしあり得ない。
でも、なぜ? なにを? 僕らは「求めて」いるんだろう? と考えてみてはじめて
無自覚に無節操にいろいろなものを求めていることに気づく。
そうやって無意識に求めてしまう「なにか」が僕らを知らぬ間に縛って苦しめていることにも気づく。
そしてそれに気づいて、少しの間手放そうとするだけでも、随分楽になれることを知る。
「求めない」ことというのは、「受け入れる」こととも同じ意味なのかもしれない。
何度も読み返してみて、自分の気持ちにどんな風に根付いていくのか、そんな楽しみ方もできそうな一冊です。
- HIROSH