人生において必要な強さとは?ー映画「into the wild」

旅に出ると、普段見過ごしていた光景だけでなく、気づかなかった自分の感情や言葉に出会う。

それが「旅」なのだと思うけど、この主人公のように、幼少のころから許すことのできなかった親への思いや生きることの意味を見つけるには、その積年の思いや思慮の深さだけ、暮らして来た場所や家族からの時間と距離が必要なのだろう。

主人公が遠くアラスカの荒野を目指し、その距離と時間の先に見つけたものには、本当に心が震えるものがある。

感動もするのだが、同時にこの主人公の壮絶な旅に比べると、自分自身の人生の浅さもかいま見てしまう。

シェアすることの意味

でも、この映画を観るたびに、何かを許すためには、そこから離れて見つめなおす時間と距離の大切さに気づく。そしてそれは、孤独を伴うことで、人が生きて行く上で大切なものに気づくのだと。

逆にそうしないと忘れてしまうから、人は旅を繰り返すのかもしれない。

この映画で出会った言葉をいくつか。

Happiness is only real when shared.
(幸せが現実になるのは それを誰かと分かち合ったとき)

原宿THE SHAREに住み始めてから60人の共同生活の中で「シェア」することの意味を日々考えさせられるけれど、今回も一緒に暮らす仲間達と映画を観て、その感想を分かち合い、それぞれの人生観や経験を交換(シェア)することで、体験したものに深みが増していくことを実感。

ただ「共感」だけでなく、多様な人生観や価値観を受け入れることで、その多様性のもたらす「ズレ」や「違い」は長い間自分の中に頑固にこり固まってしまった「先入観」をゆっくりと溶かしてもくれる。

日々、そんな自分の常識や視点の違いをシェアすることでも、視野や景色が変わって行く感じもする。シェアハウスそのもののが孤独と出会いと、小さな自分の世界観や視野を広げながら受け入れ暮らす場所と思えば、これも「旅」の一形態なのかもしれない。

最後に劇中の言葉をもう一つ。

人生において必要なのは実際の強さよりも 「強い」 と感じる心だ

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