大前研一さんの言葉で
まさに、この三つを変えるきっかけとなるのが二拠点居住とも言えますし、逆に何かを変えたいと思ったとき、試してみる価値のあることだと思います。
とはいえ、二拠点居住というのは、家族の構成や仕事との関わり方によって、誰もが簡単にできることでもないと思います。
また、能動的にできる人もいれば、止むを得ず二拠点生活をしないとならない時もあります。
いずれにしても、エネルギーのかかることではあるのですが、ルーチンワークになってしまった習慣や流れを変えて、新しい可能性を見出すきっかけにはなるはずです。
ここで大事なことは、ただ環境を変えるのではなく、自分自身も拠点によってその役割や人間関係を意図的に変えてみることです。
古くから住み慣れた街にいる自分と、新しい街での自分。
移動するたびに切り替えることで、自分の中にある新鮮な一面をみることがあります。
つまり、人間を抜本的に変えるのではなく、普段の自分と、変えてみたい自分を二拠点で試しながら、どっちがフィットしているか?を客観的にみてみるのです。
私とは何か 「個人」から「分人」へ
[amazonjs asin=”4062881721″ locale=”JP” title=”私とは何か――「個人」から「分人」へ (講談社現代新書)”]この考え方に近い書籍で「私とは何か?」という問いに明確に答えた一冊があります。
分人とは、人それぞれ分に「僕」がいて、例えば「優しい人:5」「強い人:3」「難しい人:2」と思っている人の割合の総和が自分ということ。
自分らしさを考える時に、自分の個性を見るのではなく、「誰の中の<自分>が一番好きか?」と考える発想には目からウロコでした。
恋人の前、友人の前、職場の知人の前。どの時の自分が好きか?とも言い換えられます。つまりつきあう人を変えると、自分が変わるという大前さんの言葉に通じます。
加えて、どんな過ごし方(時間)をしている自分が好きか? どの場所に居る自分が好きか?も意味を持ちますね。
同じ場所で自分らしくなろうとするのは難しい
大前研一さんも「どれかひとつだけ選ぶとしたら、時間配分を変えることが最も効果的なのだ。」言っていますが、確かに、人生そう簡単に住む場所を変えたり、つきあう人を変えられませんよね。
しかも、ソーシャルネットワーク時代は、どこに住んでいようと、誰ともつながり続ける時代なので難易度が上がります。
100点満点の自分にしようとせず、自分の好きな時間の割合を増やすこと。自分にあった過ごし方を工夫すること。そうした時間を大切にすることだと思います。
今、朝カフェ(というか、地方の地元にはカフェがないので、マクドナルドなんですが)でコーヒーを飲みながら、思うことを書いているのですが、そこから1日分のエネルギーが湧いてくるような気がします。(こうやって、自分の好きなことをブログやソーシャルメディアで発信する行為も分人を増やす活動なんでしょうね)
日常の中で、ちょっと足を伸ばして、知らないカフェや場所を見つけて、そこで新しい知りあいを作ることができたら、それも、好きな自分の分子(分人)を増やす行為なんだと思います。
お気に入りの時間と空間で<出会った人>の中にある自分<分人>。そんなアプローチ大切にしていく先に、変えようとせずとも、自分らしさは待っていてくれているのかもしれません。
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