日本の問題。演劇とNPO。

日本の問題」をテーマにした8劇団+6学生劇団の合同演劇プロジェクト。

今日観たのは「b」チームの4劇団の作品。1作品25分、舞台装置も基本同じという限られた空間で劇団のそれぞれの視点で語られる作品はどれも興味深いものでした。

「日本の問題」という大きなテーマに演劇がどのようなアプローチをしてくるのか? 演劇は全く無知ですが、どこか劇団を取り巻く世界は、僕らが行っているNPOや社会起業活動と似ていて、かつ相互が必要とされる要素を多く持っていること。その意味でも、演劇ファンだけでなく、ソーシャルイシューに挑戦している起業家の人にもぜひ観ていただきたいプロジェクトです。

問いかける力

元々、舞台をつくるという作業はテーマを「見つける力」。そしてテーマに対して自問対話を通じて「問いかける力」が必要。その上、観客やファンを増やし商業的な持続性も兼ね備えなくてはならない点、そうしたプロセスやアプローチも、社会の課題に挑戦しているNPOや社会起業家にとって同じく重要なことに思えます。

予行練習ではなく、本番の舞台をつくり期限や制限を設定し、実践の中で最大限のプレゼンテーションをすること。これも、活動を行いながら実践の中からアウトプットに加えアウトカムを見いだしていこうとするNPO活動にも通じることでしょう。

今日観た舞台の最後に、年末に行う学生版「日本の問題」の主宰者たちを交えたトークがあったのですが、そうしたテーマに対する「問い」や試行錯誤を繰り返しているだけあって、大学生の割にとても受け答えがしっかりしていて、短期間にとてもよい学びをしている気がしました。

むしろ、日本の全大学生に「日本の問題」をテーマにした舞台演劇を必須科目にしてもいいのではないか?と思ったほど。

表現やテーマに対して「問い」を続けていると人は対話力がつくんですね。

同じくNPOにも演劇や表現、創造を通じて自問し葛藤する「問い」の力を作用させる方法もある気がします。そうしたプレゼンテーションのアプローチを模索してみたくなりました。

自分の「なぜ?」を問いなおす大切さ。

それぞれの大学生主宰者が自分の劇団の作品紹介のときに、「こんなテーマで舞台やります。観に来てください。」で終わってしまっていて、その作品やテーマを「なぜ扱おうとしたのか?」という個人に根付いた「なぜ?」という問いに触れられる人が少なかったのがちょっと残念。

「日本の問題」という与えられたお題に挑戦しているというまじめさを超えられていない気がしたのですが、でも、彼らがどんなアプローチをするのか、そのあたり舞台を実際に観に行ってみたい気持ちを高めたのも事実。

彼らの作品創作活動によって「日本の問題」をどこまで「自分ごと」にし、どのように表現し観客に投げかけ、そして観る人の心を動かすのか? そこにも大きなヒントがある気がします。

社会起業家も演劇から多くを学ぶべきだし、演劇の世界からも「社会や地域の課題」といった「日本の問題」に表現や創作の力を活かすアプローチをこれからもどんどん続けていってほしいなと思います。

表現発信という実践を通じて、問いを繰り返し成長していく様。そのどれもが、これからの日本に必要な事。

社会起業活動と演劇。もっと交われば面白いことになりそう。

ぜひ、この舞台興味ある人は足を運んでみてください!

Shareこの記事をシェアしよう!

モバイルバージョンを終了