豊かさってなんだろう?
MOTOROLA PHOTON SOCIAL0.0ラボ「豊かさの未来」 http://www.motorolaphoton.jp/
昨年の映像ですが、何度も見返すほどとても印象的だった企業CM。
「豊かさってなんだろう?」という問いかけに、クリエイターや学者が思い思いの「豊かさ」についてコトバをつづります。
出演者に語らせながらも、見る人に「問いかけている」ところがこの映像のすばらしいところ。企業CMでありながら押し付けるメッセージやステレオタイプを極力排除し、様々な視点の「豊かさ」を許容しているところも、ドキュメンタリー的でもあり、今時代風です。
「豊かさ」という問い
「豊かさってなんだろう?」という問いは、この映像のように、人の価値観を浮き彫りにする思えばよくできた良質な問いかけだと思います。
当たり前のように共有されているはずの「豊かさ」が崩れ始め、それぞれがその問いに向き合う時代にさしかかっている、むしろ、その答えよりも「問い」が大切な時代になっていることに気づかされます。
また、こんな混沌とした時代だからこそ、それぞれが自分のコトバでその問いに対して答えようとする姿勢。その答えの正否じゃなく、自分のコトバで語ることの大切さもこの映像から感じます。
「豊かさ」とは「今を感じる力」
僕にとっての「豊かさ」とは、「今を感じる力」。そして、今の時代や自分自身にとっても、もっとも足りていないと思うこと。
なぜに、これほどまで時代は不安に満ちて、そして過去の歴史を悔やむのか? 多くの人が自己肯定できないまま、未来を憂いでいる理由をよく考えます。言い換えれば、「今を感じいれていない時代」なのだと思います。それは、どうしたら、みんなが「今を感じ入って」「豊かな気持ちでいられるだろうか?」という問いです。
311以降、日本には、まだまだ悩みの種も、先行きの不透明感も多くあります。でも、多くの人が大きな災害を前に物事の有限性を感じた時代だからこそ、今をもっと強く感じて生きなくてはならないのだと思います。
「現実逃避」というコトバがありますが、見方を変えれば現実から逃げるのではなく、現実に逃げてもいいんです。憂う未来や振り返りたくない過去があるならば、今という懐に飛び込む術があってもいいのだと思います。
不安は今にはなくて、ほとんどが未来からやってきます。簡単にいえば、もっと今を味わい、楽しもうとすることで逃げてもいいんです。
そうやって、今を強く感じる能力がこの不安で混沌した社会を生きぬく術になるのだとも思えます。
では、今を感じているには、どうすればいいか?
僕らが豊かさを手に入れるために、考えるべきもう一つの問い。また、続けます。