フィッシュストーリー

フィッシュストーリー [DVD]

実は、2009年は「扉をたたく人」で映画観納めしようと思いつつ、なんとなくしんみりしてしまったので、こちらの映画をチョイス。実質ゼロ年代最後の映画はこちら。

これまで観た伊坂幸太郎原作映画では、たぶん一番面白かった。

ほとんどの映画が原作を読んでからの鑑賞だったので、良くも悪くも、ストーリー展開の面白さが予定調和的になってしまっていたのですが、この作品は原作読まずに観たのがよかったのかも。

相変わらず、最後まで伊坂幸太郎らしいスピード感と展開。特に最後の映像的な解釈はむしろ、映画らしいくだらなさを助長していてより面白い。

ノストラダムスに加えて、地球が終わるという終末論が定期的に話題になるけど、それはそれで、その人の人間性をより引き出すきっかけとなって、よいのではないかと思う。

これだけ矛盾がスパゲティのようにからみ合った現代。リセットかけるにはいいタイミングではないか?と思いつつも、どれだけ混乱しても常に、流れ続けてしまうのも世の常。

人の品格とは、混乱した時代にあっても、人としての本分を淡々と粛々と全うできるかどうか。フィッシュストーリーな話だけに、そんな生真面目なメッセージはないんだけど、扉をたたく人のあとに見ると、いい意味、肩の力が抜けて今の時代のあるべき姿もちらちら読み取ることができる。

意外に軽く深い映画。おすすめ。

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