ハーフハウスという方法論〜アレハンドロ・アラヴェナ: 私の建築哲学 | TED Talk


アレハンドロ・アラヴェナ: 私の建築哲学―コミュニティが参加するプロセスを | TED Talk | TED.com

前エントリーの「空き地にコンテナと芝生で地域活性。とても可能性を感じるプロジェクト 」からFacebookで友人に教わったTEDコンテンツ。

建築を通じて地域コミュニティーの課題解決するプロセスは

坂 茂さんの「紙で出来た避難所」 | TED.comにも通じる素晴らしいプレゼンテーションでした。

住民参加型建築デザイン「ハーフハウス」の可能性

女川町 仮設住宅 Container Temporary Housing

女川町 仮設住宅
Container Temporary Housing

Container Temporary Housing | Voluntary Architects’ Network

土地の制約や条件を考えて、いかに最適な空間を作るか?という視点では、女川の仮設住宅に通じるものがあります。

しかし、彼の発想の興味深いところは、その上で、建築物をただ作って提供するのではなく、あえて「半分だけ」作って残り半分を生活者に作らせる。「ハーフハウス」という発想を導入したところ。とても素晴らしいアイデアでした。

半分自力というデザイン

「半分自力」という、自ら作る余白をあらかじめデザインに組み込むことで、様々な課題をクリアにした。という着眼点は、建築に限らず、多くのヒントを含んでいます。

まるで、記入式のワークブックや、セミナーではなく参加型のワークショップのように、課題を自分ゴトとして自力で解決策を見出させること。そして、その解決策を共有させることで、自発的な学びや提供者にとって想像できないようなイノベーションが生まれる。そんな余地があるデザイン。建物が本当に半分だけデザインされているアイデアは秀逸なアイデアでした。

自力という意味ではロシアのダーチャに通じる

ロシアにはダーチャと呼ばれる、いわゆる都市生活者に無料、安価に解放した週末農園的な制度があるのですが、日本で行われている、クラインガルデン(週末農園)施設とは違って、電気、水道もない、制約、条件だらけの、土地をただ提供する。というものでした。なので、それぞれが自力で小屋を立てたり、インフラを整備しはじめて、勝手に栽培した農作物を勝手市場に流通させ、一大自給自足ムーブメントを生むなど、結果とても面白い試みになった事例なのですが、これもまた、すべてを与え過ぎず、勝手に作らせる。というデザインが功を奏した話だと思います。

当時はダーチャ用の雑誌があったりして、「特集、小屋を作ろう」みたいなDIY精神旺盛な内容だったそうです。

ダーチャ – Wikipedia

Photo by Rob Lee

日本のクラインガルデンがあまり成功していないのは、小規模すぎることと、設備やインフラを整え過ぎているの故、作り手に余地が残されていないことが原因なのかもしれません。

都市生活者全員に一律、近郊の耕作放棄地を一代限り提供する。といった大胆な政策があれば、混乱もすると思いますが、その時も、あまり設備を提供しすぎず、自力で作らせる余白をどんな塩梅でデザインするか?によっては、大きなイノベーションが起きる可能性を感じます。

さておき、「ハーフハウス」といい、空き地にコンテナ事業といい、本当に優秀なデザインというのは、お金をかけず、そして、そこにいる人のパワーや意識を集め、持続的なプロジェクトにつなげることが可能。という、とても勇気の出るプレゼンでした。

ヒント満載です。

この話にも、通じます。

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