解説:車いすで生活している大富豪と介護者として雇われた黒人青年が垣根を越えて友情を結ぶ、実話を基にしたヒューマン・コメディー。年齢や環境、好みも異なる二人が、お互いを認め合い、変化していくプロセスを描いていく。監督は、本作が長編4作目となるエリック・トレダノとオリヴィエ・ナカシュのコンビ。主演は、『歌え! ジャニス★ジョプリンのように』のフランソワ・クリュゼと『ミックマック』のオマール・シー。フランス本国のみならずヨーロッパで記録的なヒットを樹立した、笑いと感動に包まれた良質なコメディーを堪能できる。
実話をもとにしながらも、映画的なセンスのよい展開。のっけから、カーチェイスにアースのセプテンバー。
基本的には王道のバディフィルム(性格や立場の違う二人の出会いから、イベントを乗り越えて友情が芽生えるタイプの映画)で、観終えた感じがなんとも清々しくて、いい映画を観た感満載。
富豪の障がい者と貧困の黒人青年。両極端な絶望感を抱えたふたりだからこそ、ヤジロベーのように、安定したバランスを保ってお互いの心を軽くしていく。
黒人青年の度が過ぎたブラックジョークがむちゃくちゃ笑えるけど、これ日本で制作していたら、その手の団体から抗議がきそうなほどブラック。
でも、深い部分で相手を敬う心をもつ二人だからこそ、本音でぶつかり合い、極端に軽い会話をかわすことができる。
こんな友人関係をつことができたら、誰でも幸せだと思う。
オープンに語り合える友情のすばらしさ。これは間違いなくおすすめの一本です。