これからの復興支援とメディア教育について

いま、東北新幹線で書いています。
この一年間、福島と岩手県大船渡に復興支援事業の一端として、微力ながら社会起業家のメディア教育支援させていただきました。
一人でも多くの人にメディアの大切さや楽しさを伝えたいと思いつつも、様々な課題を抱える現場において、本当に必要な教育支援とはなんだろうか?自問させられる一年でもありました。
ソーシャルメディアは共感と信頼の力で広くの人に伝えるメディアであり、またその力学を学ぶ教科書です。
目の前に起きていることから「何を」感じとり、「どんな」手段で「どのように」表現し、発信するのか?
そしてそもそも、「なぜ?」私たちは、情報を表現して伝えたいのか?
一連の流れを自分なりに解釈し、学び直すことで、ソーシャル(みんなの)メディアは、それぞれの元に収まり、ひとりひとりの人生に、そして社会に作用しはじめます。

情報発信を通じて自己顕示欲や承認欲求と向き合い、 その先に自己を開示して身の丈に発信する術を学ぶこと。
情報を(オープン)開示し、人に有用な情報を積極的に(シェア)共有し、奢ることなく(フラット)に関係を構築していくこと。
こうした実践を通じて「信頼と共感の自分メディア」を構築していくことが大切です。

そして、自己を表現するだけでなく、他者や対象を照らすことで、まわりが輝きはじめること。

ここにメディアの楽しさや、醍醐味があります。

多くの人に伝える術を学ぶことは、目の前の人との信頼関係を大切にすることでもあると思います。
そのすべてをソーシャルメディアは教えてくれます。
自己顕示ではなく、自己開示のメディアである所以は、自分の力ではなく、コミュニティとの信頼関係によって生かされる力のほうが、大きいということを示唆しています。

今回の東北入りは、東北の地域メディアや災害メディア、地域コミュニティのあり方から、次なる有事に備えて、都市型の災害におけるメディアのあり方を模索する旅となります。
自立した個人が暮らす都市生活者のソサエティ(顔の見えにくい弱いつながり)にコミュニティ(顔の見える強いつながり)の力を取り戻し、実感する時代が来ます。そのためには、ソーシャルメディアを含めて、メディアの力が必要になってくるでしょう。
改めて、この2年間の取り組みを東北から学び直し、都市や地域、次世代に継承する必要があると思います。
「復興」や「支援」としてだけではなく、「共に」地域再生の方法を学び、「未来に生かす」ための学び場や教材を作って行くこと。これが、これからのミッションです。

改めて気を引き締め、3年目以降のビジョンを描きながら進んで行きたいと思います。

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