ベルリン・天使の詩 再考。

DerHimmelÜberBerlin13
ベルリン・天使の詩

この映画を観たのは、ちょうど10年前の2004年4月17日。ベルリン天使の詩 | soanblog創庵

心のベストテン、第一位はこの映画。そのくらい、僕の人生観に大きく印象を与えてくれた作品。

ふと、先日図書館で沢山の本を眺めていたら、この映画のことを思い出して、また書きたくなったので書いておきます。

人間はなぜ苦しいのか?

守護天使ダミエル(ブルーノ・ガンツ)は、長い歴史を天使として見届け、人間のあらゆるドラマを寄り添うように見守った。だが親友カシエル(オットー・ザンダー)に永遠の生命を放棄し、人間になりたい、と打ち明ける。やがてサーカスの舞姫マリオン(ソルヴェーグ・ドマルタン)に想いを寄せるダミエルはついに「壁」を境に東西に隔てられた街「ベルリン」に降り立つ。

引用元:ベルリン・天使の詩 – Wikipedia

人間には見えないおじさん天使が人の傍らに立って、心の内の喜怒哀楽にそっと耳を傾け、そっと背中を押す。そうすると、その人が抱えていた暗い気持ちに、少しばかりかの前向きさを取り戻してあげることができる。

そんな超地味な慈善活動をしているおっさん天使達の一人が人間に恋をして、不老不死の天使をやめて人間になりたい。という贅沢物語。

天使から見れば、人間は苦悩し葛藤し思考し続ける、なんともしんどい宿命を背負った生き物。

片方、天使は悩みも無ければ死にもしない。僕ら人間がどれだけ憧れる存在だろうと思う。

人間を選んで生まれて来た僕ら

この映画を観るたびに思うんだけど。

僕らはこの世に生まれ来る前はみんな天使で、この主人公のように魔が差して人間を選んじゃった一人なんだと。

「お前バカだなぁ、人間なんてあんな辛いのヤダよ。しかも有限だし、死んじゃうんだぜ!!俺、耐えらんねーよ」

なんて、多くの天使達が止めに入るんだけど、好奇心というか天使ライフに飽き飽きした本人は忠告も聞かず。

えいや!っと産道をウォータースライダーのように勢い滑りでようとする時、傍にいた天使仲間が、

「お前さ、人間選ぶのもいいけど、辛くなりすぎて、生きるの嫌になるかもしれないけど、たまに俺さ、様子見に会いに行くから。人間なると、たいていこの記憶消されちゃうから、俺が行っても気づかないかもしれないけどさ。」

って、耳打ちしてくれる奴がいて、そんな友人がたまに、親友とか、説教臭い老人とか、恋人とか、いろいろな格好して目の前に現れるわけだ。

そして、この映画いいよ。って進めるのが、大抵この「ベルリン天使の詩

ダイレクトすぎるわ!と思いながら、

「あぶねー。俺、人間になりたくて選んだの忘れるところだった!」って気づかせてくれる。という妄想を度々します。

思い悩んだ時はおっさんを呼び出す

大抵悩みというのは、思考なんですよね。悩むという思考。そんなときに、爪の間に針でも指したら、その瞬間に痛みともに悩みがなくなってしまう。そんなくらいのもの。

そんな痛い思いしなくても、自分の中にあるおっさん天使を呼び出して、「人間、大変やけど、がんばれやぁ(苦笑)」と、そっと耳元でささやかせるだけで、少し人ごとのように思えて、ふと心が軽くなったりします。

もう、ジョジョでいうところのおっさん天使スタンド状態。

まぁ、喜怒哀楽を極限まで楽しめるくらいの人間味をもってナンボなんですが、僕の場合あんまりにもストレス耐性がなかったので、早めにこの映画差し出されてしまったんでしょうね。

人間を楽しみたかったら、見ない方がいいかもです。(まぁ、このエントリー観てしまっているということは、僕が貴方に向けて、「思い出せよ」って伝えなきゃいけないタイミングに来てしまっているのかもですが)

 2019年2月15日 ブルーノガンツさんお亡くなりになりました。ご冥福をお祈りします。 

http://news.livedoor.com/article/detail/16031963/

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