そのひとつ。
「ノートパソコンひとつもって世界中の子供たちに会いに行こう」企画の打ち合わせ。
これからのIT社会は果たして私たちの社会や世界、私たち自身生活をより豊かに、幸せにするのだろうか?
そのために今何を学び、何を伝えるべきなのだろう?ITやメディアっていったいなんだろうか?
僕らのもっているITの技術やスキルで社会に役立つことができないだろうか?
その答えを見つけるための旅企画。
これまで、ひとりでも多くの人にパソコンやインターネットの楽しさを伝えようと試行錯誤続けてきましたが、ここにきていろいろなことがひとつの節目を迎え、改めて考え直す時期にきているんじゃないかと思うようになりました。
そして、昨年の秋ころからいろいろな人に相談をしながら、パートナー探しをはじめてきました。
詳細は改めて書きますが、今日は新年なので、気持ち整理かねて思いつく順に書いていきます。
西村知美さんや漫画家の久住昌之さんたちと「ホームページはむずかしくない」という教育番組を担当したのちょうど10年前。
その番組を担当したときに、まず念頭においたのが取材でした。HTMLの勉強なんてまずもって、「むずかしい」わけです。
大切なことは、ホームページを開設したりパソコンやインターネットを使うことによって、どんな風に生活が変化するか?です。
そこで番組では日本全国のパソコンの達人(といっても技術的なスキルを持った人ではなくて、パソコンを楽しむ達人やアイデアの達人)を取材してまわりました。(余談ですが、放送の時、なぜかパソコン小脇に抱えて木枯らし紋次郎の格好で全国行脚・・・・いろいろな街角で遠めに指さされました。)
ついでに、きめ台詞が「あっしには関わりのあることでござんす」・・・・。す、すみません。そこまで世代古くないんですが・・・(当時スタッフの平均年齢が高かったということもあり・・)
さておき、脱線。この10年間いろいろな人を取材しましたが、ひとつ共通して言えることは、やはり生活の時間や空間を大切にしている人はパソコンやネットの活用の仕方がうまいということ。
つまり生活や人生を楽しもうと、知恵を絞って工夫している人は、パソコンやネットも得意なんですね。
どちらも、学校やパソコン教室では教えてくれない、生活の知恵みたいなもの。そういったセンスや自分で編み出す工夫みたいなものにその人らしさがあらわれ、そういう人たちこそが、一番パソコンやインターネットの楽しさや可能性を代弁してくれる気がしました。
パソコンという小難しい道具をいかに生活や人生に役立てるか?その知恵のあり方。これこそが学びであって、パソコンを目の前にするとみんな平等に試されるものだと思います。
28歳でこの世を去った幕末の武士、高杉晋作の辞世の句に
「おもしろきこともなき世をおもしろく」
という言葉には「すみなすものは心なりけり」と続きます。
まさに、パソコンやインターネットなんて所詮ただの箱であり、巨大な電子辞書かもしれません。
最近ではセカンドライフなんて、CGでできた偽者の立体空間です。
でも、それを目の前にして、「おもしろく」するのは、メーカーやIT企業の役割ではなくて、私たち自身の心の役割なのだと思います。
そして、その創造性はパソコンの楽しみ方にとどまらず、自分の生き方や地域、社会、世界の楽しみ方に通じています。
その知恵をもつ人たちに会いに行くことは僕にとってもとても大きな気づきや学びにつながりました。そしてなによりもたくさんの元気をもらっています。
いま僕は日本やこれからのIT社会がどうなるのか?が一番気になります。そして僕が伝えようとしているパソコンやネットといったITの技術で私たちの生活はどうなるのか? より豊かに人間らしい生活をするために、ITとどんな風に接していけばいいのか、その活用する方法をもう一度考え直したいと思います。
そのために、ただ考えるのではなくて、試して練る時間を作ろうと思います。そして一緒に対話できる仲間を見つけようと思います。
年齢や職業や経験関係なく、これからの社会に自分の力を活かしたい思う人がいたら、一緒に何ができるか志をぶつけあい模索してみたいと思います。
僕らが世界にできること。そして、世界から日本を見つめなおすことで、僕らがいま学びなおすべきこと。
世界の子供たちやシニアの人たちはどんな風にパソコンと接しているのか。またいないのか。
さまざまな価値観や生活習慣の中で、ITはどのように人の暮らしを支えているのか? またその問題。
各国のパソコンの達人に教えをこう旅。 ITを使って世界中の「おもしろくなき世をおもしろく」しようとしている人に会いに。
10年前にはじまった日本全国行脚ですが、こんどは世界をめざします。
つづく・・