論理性と情緒感で伝えるプレゼンのお手本
プレゼンの世界では著名な小室さん。本当にテンポもよく、人を惹きこむプレゼンテーションは圧巻です。
まさに前日にエントリーした「もしTEDに出ることになったらオススメしたい、たった4つのプレゼン作法」のお手本のようなプレゼンテーション。プレゼン授業の教科書にしたいほどの、上質な展開でした。
彼女のプレゼンテーションですばらしいのは、まずセオリー通り、少子化という社会の課題に対して、自分の実体験や課題解決から導いた仮説があること。
夫の長時間労働によって、子育てが苦痛であったことからはじまり、夫がワークスタイルを見直したことによって、二人目を産みたいという欲求が生まれ、現在二人目がお腹にいる。という滑り出し。このオープニングでぐっと惹きこまれた人も多いのではないでしょうか?
どんなロジック(ロゴス)よりもまず、実感できるコトバや体験(パトス。パッション)から始めること。共感は必ずパトスから生れれます。
一方、ロジックはどんなに精緻な設計があっても必ず何割かの人に否定的な感情を芽生えさせます。ここは大切なポイントです。
sisp methodで観るプレゼンフレーム
(1)原点(story):子どもを愛する母であること
(2)課題(issue):実際は夫の帰宅時間の遅さと子育ての苦痛の連続であった。夫の仕事時間の見直しによって二人目ができた。
(3)共有(share):少子化対策には長時間労働の見直しが重要。そのロジック。
(4)提案(propose):長時間労働を見直して、ワークライフシナジーの社会を一緒につくりましょう。
最後に「みなさんの力を貸してほしい」と伝えたあと、
「あなたの人生を評価するのは会社ではなく、家族です」
「定年退職した後に30年間家族に愚痴られる人生は幸せでしょうか?」
と、誰もが納得するロジックとバランスの取れた力強いパッションで最後の提案に続きます。
何度観ても、淀むことなく頭に入ってくるプレゼンテーションで、TED的な多くの人を動かす力とアイデアをもったバランスのよいステージでした。
プレゼンスキルだけでなく、個人的にも労働を見直して、ワークライフシナジーを自ら実践していこう!と思えたすばらしい必見の内容です。ぜひご覧ください!