伝わるストーリーを描く
TEDxTokyo 2012が6月30日に渋谷のヒカリエで行われます。NHK教育テレビ「SuperPresentation」でも取り上げられて有名になったTEDのプレゼンですが、一流のプレゼンターの話法や表現力を学ぶとてもよい教材とも言えます。
TEDのプレゼンテーションを観ていて、気づいたことがあります。人の心を動かすプレゼンテーションには一定の作法があること。
すべてのTEDプレゼンに当てはまる型ではありませんが、もし、明日突然TEDの舞台に立って3分くらいで、自分の専門テーマについて話をしてほしいと懇願されたら、ぜひ、このチャートを活用してプレゼンテーションを組み立ててみてください。
TED的プレゼンを実現する4つのステップ
1)原点を語る
2)直面した課題や困難について触れる
3)それを乗り越えたエピソードを、誰にも通用する教訓に変える
4)テーマについて関心を喚起するよう再度提案する
これだけです。この型に近い例をあげてみます。
エリック・ヨハンソン 「不可能な写真」
特に大きく感動を誘うプレゼンテーションではありませんが、型の参考になると思います。
TED的プレゼン4つのステップ解説
1)原点を語る(STORY)
冒頭に本人がどんな動機でそのテーマに関わったか。「簡潔」に語ります。
(日本人のプレゼンテーションは逆にこの部分が長くなりすぎる傾向があるので注意。)
2)課題に触れる(ISSUE)
関心をもって取り組んだテーマも、やはり大きな困難に直面するエピソードがあるはずです。個人的にぶつかった課題について赤裸々に語ります。
(ここは、自慢話だけでなく、失敗談を挟むことで、物語性と人間性を表現し、話者と聴衆者との距離感を詰めていくフェーズ)
3)教訓に変える(SHARE)
上の段が「個人的(Personal)な動機と課題」とすれば、下段は「みんな(ソーシャル)のテーマ」です。上段だけで終わってしまうと、一個人の物語と教訓ですが、その教訓を誰にも通じる普遍的なものに置き換えて語ります。
(聴衆者にあった言葉や事例に置き換えることがポイント)
4)メッセージ(PROPOSE)
左右の軸は左が「ロジック」で右が「パッション」です。自分の失敗談をロジカル(客観的に分析)して、誰もに通じる教訓に変えられたら、最後は、本題であるテーマを再度推します。この困難や教訓を活かして、聞いている人に勇気と行動を促すのです。
(プレゼンテーションの目的は、信頼をベースに共感と理解を得て相手に行動を促すことです。最後にパッションをもって語りかけてください。)
たったこれだけです。この4つのステップをもとに、プレゼンテーションを組み立ててみてください。
スティーブジョブズの名スピーチに学ぶ
最後に別の例もご紹介しておきます。このあまりにも有名なスティーブジョブズの伝説のスピーチは、時間が長いですが、この4つのステップが複数回繰り返されています。
本当にこれは何度観ても、勇気のわくすばらしいスピーチです。
いつTEDカンファレンスに呼ばれても良いように、このアンチョコを元にプレゼンテーションの組み立て頑張ってください!
[amazonjs asin=”4105064916″ locale=”JP” title=”TEDトーク 世界最高のプレゼン術”] [amazonjs asin=”4822230546″ locale=”JP” title=”ガー・レイノルズ シンプルプレゼン”]2012年6月29日 伝えるチカラvol.03@内田洋行
今月も「伝えるチカラ」シリーズのワークショップを開催します。
日時 平成24年6月29日(金) 19:00~21:00
会場 株式会社内田洋行 新川本社(ユビキタス協創広場 CANVAS) 2階
東京都中央区新川2-4-7
まだ、席数ありますので、お気軽にご参加ください。