交通渋滞を解消するために、人間の中に流れる血液に注目し、その効率的で立体的な酸素の物流方法に着目し、血管のような3次元の交通方法を模索するという話。
数10億年かけてデザインされてきた、人間の血管に着想を得て未来の都市交通のあり方を描くという話には、多くのヒントが含まれています。
交通網が機械化されればされるほど、その動きは更に有機的で活動的に感じられるでしょう
引用元:Wanis Kabbaj: What a driverless world could look like | TED Talk
機械化されるほど有機的になる。という視点はとても象徴的で、どれだけテクノロジーが発展しても、数十億年にわたる膨大な試行錯誤を続けてきた生物やその構造には超えられない何かがあるんでしょうね。
たとえば、蚊が飛んでいる技術をつぶさに観測すると、
- ほんの数mmの躯体に空中でホバリングして自由に飛行する技術
- 人間から発するニオイや二酸化炭素、熱などをセンサリング技術
- わずかな時間で6本の針を皮膚に差し込み血を抜く技術。
これをすべてロボットに実装しようとすると、同じ大きさではまだ実現できないと思います。
そうやって、当たり前のように見える事象も、視点を変えると、これからの未来を描くためのヒントがたくさんあること。生物が進化の過程で得てきた能力やその仕組みには、多くのヒントが隠されているはずです。
様々な課題解決を未来の技術で解決するただけでなく、これまでの歴史をふりかえること。
そも意味でも、STEM教育なども生物や人文科学など、身の回りの生活空間や学際的な好奇心をもたせるなような方向性に行くのが望ましいと思います。