今年、東京神田にできたシェア型複合(住居、ワーキング、キッチンサロン、カフェ)施設the Cのコンテンツディレクターとして、地方と東京を結ぶイベントや、3Dプリンターやファブといった新しいものづくりスペースに携わっています。
今日は、その中でも、昨年講師を勤めた自由大学クリエイティブ創業スクールの卒業生たちが主催する「プレゼン道場」のオープニングワークをさせていただきました。
テーマは「プレゼンテーションシンキング」企業研修などでも、同名で行っているものですが、今日は、よりプレゼン思考の実際的なプロセス部分を中心に解説。
内容の前半部分をご紹介します。
「私」を表現することが一番難しい
「私」というのもを一言で表現してください。というと、大抵、一瞬フリーズします。
こんなに、一番みじかな存在の「私」が一番表現しにくい存在なんです。
自分の「名前」を書いてみてもどこか「私」を伝えきれていないもどかしさもありますし、「私は宇宙」というように絵的に抽象的に伝えてみても、輪郭がぼやけてしまいます。
どうしたら、「私」という存在を的確に表現できるか?この葛藤こそが、プレゼンテーション資料を作成するときの「問い」であって、大切な思考法なんです。
なんども、この抽象的な「俯瞰視点」と、具体的な形容を行ったり来たり繰り返しながら、「私」とはなんだろう?と思考していき、着地点を見つける作業を行います。この「問い」の数がプレゼン資料の質につながります。
こうした作業が繰り返される時間は、資料作成どころか、形にならない落書きをしている作業のようなもので、もどかしいのですが、ここで慌ててパワーポイントを開いたり、結論を出し急がず、むしろ落書きを続けながら、抽象度の高い情報や具象度高い情報をランダムに行き来する時間を大切にしてください。
むしろ、ここでの無駄足がとても重要です。
「私」を置き換える。課題を発見する。
この「私」を新商品や、サービス。伝えたいテーマや課題などに置き換えてみます。
その商品や対象の特徴や性質を見つけます。新開発のお茶をプレゼンするとしてら、「お茶」とはなんだろう?と考えてみます。
いきなり、商品のスペックや開発秘話を語るのではなく、そもそも「お茶」ってなのためにあるんだろう。くらいまで抽象的に考えてもいいと思います。
お茶を売りこみたい。伝えたい。という気持ちを少し抑えて、そもそも、お茶は「なんの課題を解決するものか?」という風に考えてみます。
喉の渇きを潤すもの。としたら、それは「お茶」でなくてはいけないのか? そうした疑問や想定問答を繰り返すのです。
必要に応じて、開発した人にインタビューしてみたり、「お茶」のニーズや語源などを調べてみるのもいいでしょう。
「問い」の数です。疑問をたくさん作り出して、たくさん書き出して、たくさん考えてみる作業。
この「溜め」をつくることが、のちの作業に反映されてきます。
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