今週発売のブルータス「写真がどんどん上手になる(664号)」のコピー。「・・・必要なのは「ルール」設定でした。」
なるほど、クリエイティブは「ルール設定」で決まる。そう来たか。
たしかに、自分で試行錯誤していくうちに、偶然「これだ!」と思える作風や手法にであう。そうしたらすかさず自己分析して、「ルール設定」してみる。そして意図的に繰り返すことで、自分らしい連続した作品が生まれる。
コレは写真にかぎらず、音楽なんて特にそう。クリエイティブにかぎらず、仕事だってそう。つまり、ライフハックの真髄とは「ルール設定」にあり。とも言ってしまえる。
軽くて深い。そしてシンプル。
クリエイティブは「方法論」だとは思っていたけど「ルール設定」という言葉のほうが明快。むしろこの言葉で捉えなおしてみると、クリエイティブの輪郭がぐっと見えてくる。
iPhone写真はまさにルール設定の妙
たとえば、iPhoneの写真。ちょうど機能向上した新型が発表されたばかりだけど、現行機のiPhone 3Gの写真機能は正直お世辞にも良いと言えない。一世代前の携帯電話くらい。フォーカスもなければ接写すらできない。
だからこそ工夫とルール設定を見出す余地を与えてくれたし、その画質の甘さを補うために、様々なアプリが生まれたといってもいいかもしれない。
で、さっきミッドタウンで撮影した写真。たとえばこんな感じ。
あえて縮小したほうが、フォーカスや色味の甘さが引き締められると思ったけど、これでもやっぱりどこかピンとこない。
大きくのばすとその甘さが引き立ってしまう。
これ見ながら、ブログを書いても、なんだかシミのついた古着を着たままデートにきてしまったような気弱さを感じてしまう。
ところが、これをiPhoneアプリCAMERA KIT(iTunesで開く)で自分のルール設定したプリセット(この場合、こんな感じ)で白黒にすると、
iPhoneでも、なんだか締まって「ぽく」見えてくる。このソフトで白黒加工という「ルール設定」に加えて、自然物や食べ物などよりも、ビルやオブジェのような直線的でコントラストのあるものを選ぶという、被写体に対する「ルール設定」を掛け合わせて行くと、よりぽくなる。
白黒だけでなく、クロスプロセッシングという設定をするとこんな感じにも再現できる。
もとの写真は こちら(この場合の設定は、こんな感じ)
実は、このブログにアップされているiPhone以外で撮影された写真も、たいていはこの擬似「クロスプロセス」で加工しているものが多い。トイカメラちっくに表現できるのと、いまのブログのように背景に薄くベージュがのっていたりすると、トーンがあってくる。
画像処理ソフトだけでなく、FlickrやPicnikというウェブアプリを使ってもクロスプロセスがかけられる。ウェブアプリならパソコンもOSも選ばず無料で写真加工できるから便利。
iPhoneのようにキーボードもつかえない、コピペもできない、写真も旧世代・・・だからこそ、その制約の中で自分の好みの使い方を見出せると、ものづくりがより楽しくなって自分のものに近いづいていく。制覇した感じも増してドライブがかかってくる。
あえて、性能の悪いカメラを選んで、自分好みのルールを使って撮る。というルール設定だって、クリエイティブ。
とりあえず、自分なりの「ルール設定」をつくって、そのルールで作品づくりをしてみよう。きっと、なにか自分らしいものがみえてくるはず!!!
クリエイティブは「ルール設定」で決まる。撮る前にルール縛りをして挑んでみては?