「震災とソーシャルクリエイティブ」まとめ

先日講演でお話させていただいた、「震災とソーシャルクリエイティブ」のレジュメをこちらでまとめておきます。(こちらも随時アップデート追加させていただきます)

震災より3週間の間、画一的で多様性のないマスメディアの情報を補完するように、ソーシャルメディアの世界では様々な情報発信や共有、クリエイティブが短期間に行われました。

そうした様々なアクションを表現ー参加、実用ー娯楽の軸に解説してみました。

表現娯楽型

「作戦」というメタファー

娯楽というと有事に語弊があるかもしれませんが、ユーモアや伝える工夫も大切です。「節電しましょう」と無機質に伝えるだけでなく、見る人に関心をもたせ、そして「一緒に」作戦に参加して日本を守ろう!と横並びに問いかける目線も必要です。

不安なできごとも、ちょっとした物の見方や表現方法を変えてあげることで、困難に立ち向かう気力が湧いてきます。そんなアイデアのひとつが「ヤシマ作戦」でしょう。そのほかにも上島作戦や青島作戦など様々な作戦が試みられていました。

「動画」ありがとううさぎ

非常に娯楽性要素の高いクリエイティブに、ACのCM「あいさつの魔法」のリミックスがあります。高度に作り込まれたものも多く、子供に見せると大受けでした。震災や停電など緊張感続くなか、ほっと笑みがこぼれるようなクリエイティブも大切です。

世界からの応援メッセージ

こちらも震災時に実用性の高い情報ではありませんが、世界中の人から動画やツイッターで日本を応援するメッセージが届きました。 代表的なものに「Pray for Japan」というハッシュタグによるメッセージがあります。
そうしたメッセージをまとめたり、言語翻訳や動画化する作業もソーシャルの力で自発的にボランタリーに行われていたことも大切なアクションだったと思います。

表現実用型

節電ポスター

節電を呼びかけるポスターを募集したところ短期間に非常に多くのクリエイティブが投稿されました。特にセブンイレブンに設置されているネットプリントでも、印刷可能にしているものもあり、手元にパソコンやプリンターがなくてもA3サイズなどの大判のプリントアウトができます。こうした、クラウド的な情報端末との連携も可能性を感じます。

マスメディアとの連携

テレビの情報を補完する動きはいくつか見られました。マスメディアのもつ情報収集力とソーシャルメディアのもつ検索性や随時情報を閲覧できるメリットを利用したアイデアが「消息情報チャネル」でしょう。動画に名前が付加されているので、検索することでその名前と本人の顔を照らし合わせることができます。

ツイッターによる情報提供とまとめ

もっとも、活発に情報がやりとりされていたのはツイッターでした。震災直後に混乱気味であったツイートもハッシュタグなどで自発的に分類整理され、そうした交通整理により、エリア別の状況把握をするための閲覧性の高いポータルサイトなどがうまれました。その代表的なサイトが「SAVE JAPAN」などでしょう。また、Togetterでは、分野ごとの情報をソーシャル(人の手)によって、整理されまとめられています。

iPhoneアプリとツイッター連携による情報取得

iPhoneなどスマートフォンも短期間に震災情報の支援や関連するアプリケーションが無料や義援金ウェアとなり配布されました。計画停電などで、情報の混乱した各駅の情報など、マスメディア等では補足しきれない情報を、位置情報とツイッターを紐づけることでリアルタイムな運行情報を把握するアプリ(ツブエキ)などが評価されました。
計画停電の時間や、安否情報検索アプリ、放射能の飛散情報など短期間に公開されました。

データの可視化

発表されている情報をグラフなどにリアルタイムに可視化するインフォグラフィックスなども、現状を把握するために非常に有益な手段でした。テレビなどでも可視化されていない福島原発などの状況や、震災のメカニズム、被害状況なども精彩な3DCG表現で解説したのは海外メディアや研究機関であったことも、特徴的です。

地図情報とのマッシュアップ

計画停電や避難所情報など、リアルタイムに変化する状況を的確にとらえるためには地図との連携表現がとても有効です。 Googlemapとマッシュアップされた地図情報やウシャヒディのオープンソースによるものなど、様々な角度からの可視化表現が活かされました

インタラクティブマップ

震災直後、被害の状況を伝える情報はとても限られていました。早い段階での海外メディアの情報表現力発信力に驚きます。国内事情を海外のメディアから知る。そして、言語に頼らない視覚的な表現はこれからの日本の情報教育や情報クリエイティブとなってくるでしょう。

実用参加型

クラウドGPS連携サイト

自動車のGPS情報と連携され、通行可能な道路情報を共有するプロジェクトは、クラウドと地図の活用事例として非常に有効なアイデアでした。スマートフォンなどと現在地と連携した表現や、空間の検索性を高めたりすることもでき可能性が広がります。

ソーシャルな情報ボランティア連携

まずはじめに被災地域の人が求める情報は「家族との安否確認」です。テレビやラジオでの安否情報共有には限界があり、まさにソーシャルメディアをうまく応用した情報共有のアイデアが「避難所名簿共有サービス」でした。

オープンソースの有事ソーシャルマッププラットフォーム

震災からわずか7時間で、現地の情報を地図で把握するためのウェブサイト「sinsai.info」が立ち上がりました。このプラットフォームを支えているのが「ウシャヒディ(ushahidi)」です。サーバーを確保できれば、非常に簡単に地域情報を共有できるマップサービスを無料で立ち上げることが可能です。ハイチ大震災やニュージーランドの震災時においても活用されています。実際にインストールをしてみたのですが、10分ほどでサービスを構築することとができました。これについては別途レビューさせていただきます。

ドネーションサービス

義援金や寄付などの震災支援サービスも様々なものが立ち上がりました。(加筆中)

シェア型サービス

被災者の住居受け入れを支援するサイト。空間やもっているものを提供、交換など、シェア型のサービスをより期待されるサービス。同時にカーシェアのように、コミュニティで一台の車を共有するようなコミュニティ消費や絆型の消費活動もこうしたサービスと連携して加速していく気がします。

娯楽参加型

メッセージ投稿型プロジェクト

Pray for Japanや動画による応援メッセージ同様、写真を使った応援メッセージや励ましたのツイートまとめなど、応援メッセージを投稿するプロジェクトや参加型のプロジェクトがあります。投稿されたメッセージをソーシャルに他言語翻訳するプロジェクトなど、実用性はなくても参加応援するためのプロジェクトがこのジャンルです。

【講演】IPDCフォーラム:震災とソーシャルクリエイティブ(暫定版)