泊まってみたい!!サービスデザインの手本のようなホテルー龍名館東京

東洋経済ONLINE。最近面白くて毎朝読んでいるのですが、興味深い記事がありました。

出張族が考えた、すごいビジネスホテル | あなたが知らない 東京ホテル戦争の舞台裏

JR東京駅八重洲にある明治32年創業の旅館。ホテル龍名館東京。2009年にホテルとしてリニューアルして人気を博している

支配人のインタビューを観ていると様々な業界の取組み、ファッション業界、パソコンメーカー、飲食業などの、サービスマネジメント手法やサービスデザイン事例を積極的に勉強してホテル経営に取り組んでいる姿勢がすごく伝わってくる。まさに、業界の慣例にとらわれず、顧客中心設計で、必要なサービスを多様な視点でデザインしていく様はとても学びがあります。

興味を持ったポイントは

  1. CRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)を重視。顧客の「観察」を常にフィードバック
  2. スタッフの意見を尊重しモチベーションをあげる工夫をしている。
  3. ビジネスホテルでここまでするの?宿泊体験を考え抜いた設計。

顧客の声がすべての財産。ユーザーがこのホテルをどうやって選ぶか?選んだ後、どのような手段で連絡を取ってくるか?その後、チェックインからチェックアウトまで徹底してサービス体験をデザインして作られたことがよくわかります。

商品開発に使われる手法にMOT(モーメント・オブ・トゥルース)、つまり「出会いの瞬間」という手法があります。スカンジナビア航空のJan Carlzon(ヤン・カールソン)氏が考案したもので、ホテルを選ぶときから、電話して応対の瞬間から、チェックインの瞬間からと、細かく時系列で出会いの瞬間を抽出していって、そこでどこにどういう価値があるかを一つひとつ設定するのです。

引用元:出張族が考えた、すごいビジネスホテル | あなたが知らない 東京ホテル戦争の舞台裏 | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト

デザインすべきは機能ではなくて、体験。
ちょっとした数秒の接客態度や体験が全体の満足度に寄与します。

スタッフのモチベーションを上げるために、50枚投票したら1000円のQUOカードを提供しています。牛角のレインズが「お客様の声をコストをかけて買う」行動をしていたのに感銘を受けまして、お客様の情報という財産をスタッフから買いますよ、と。各スタッフにはそう伝えてあります。

引用元:激変! 今どきのビジネスホテル事情 | あなたが知らない 東京ホテル戦争の舞台裏 | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト

各フロアにはVOC(ボイス・オブ・カスタマー)ボックスといのが設置されていて、顧客が投函するのではなく、スタッフが顧客の些細な行動や言動に気づいたときに随時メモをして入れて行くもの。
究極は高級ホテルのドアマンのように、スタッフが顧客を記憶し、サービス体験を感動体験に変換させることだと思いますが、そうしたホテルだと、期待値も高過ぎてサービスが行き届かなかった瞬間のマイナスイメージも大きいものです。
逆にビジネスホテルがここまでやるのか!という感動体験ほほうが大きいと思います。そうした体験は語られるので、顧客がファンとなって宣伝し、広めてくれる役割を担う様になる。まさに生涯顧客化であり、エンゲージメントデザイン。

たとえばユニクロ(ファーストリテイリング)の柳井社長も「われわれはファッションの“パーツ”を売っているのだ」とよくおっしゃいます。つまり、全身をコーディネイトするのではなく、ある部分において貢献するのだと。ホテルも、お客様が自分らしい旅をするためのパーツのひとつだと思います。

引用元:激変! 今どきのビジネスホテル事情 | あなたが知らない 東京ホテル戦争の舞台裏 | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト

旅や出張という多様なニーズにたいして、全体で提案するのではなく、パーツで提案するという姿勢。特に睡眠にこだわった部屋や、135室中13種類という多様性。
いわゆる有名デザイナーが作りました。というざっくりしたブランドではなく、顧客中心設計で、ユーザーの多様なニーズに応えられるよう、考え抜きました。という姿勢がとても好感もてます。
某巨大国立競技場も見た目ではなく、本当にこれからの日本や地域や使う人のことを真摯に考え抜いた感が伝わるかどうかが重要だと思います。サービスデザイン設計をするためにそうした人材を巻き込んで、(特に公共建築は)考えられるべきでしょうね。数ヶ月ブレストしても、コストパフォーマンスにかなうはずです。行政関連の人もこうした民間サービスから学ぶべきです。

マーケティングではなく、ざっくりしたブランドでもない。ホテルを運営する側が一緒に考え創る姿勢。このホテルからは色々なことを学べそうです。

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そうそう、特に睡眠に特化した「FORUS(フォーラス)」という部屋。以前京都の9hoursで体験した、光で目覚める仕組み。本当にすごい体験だったので、もっと普及するといいと思ってました。
話題のカプセルホテル京都9Hoursに泊まってきました。 | soanblog創庵

まさに、サービスデザインのお手本のようなプロジェクト。一度宿泊体験してみたいです。

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