イタイ・タルガム 「偉大な指揮者に学ぶリーダーシップ」

人はコントロールしようとすると動かない。

人を動かすことは心を動かすこと。そのために必要なこと。アンコントーラブルな時代のリーダー観。このトークから感じたことは、

  1. 指揮者が統制的に行動するポイントを間違ってしまうと良いハーモニーは生まれない
  2. リーダー(コンダクター)は、命令ではなく、傾聴し、それを楽しむべき。

しかし指揮者はどうでしょう? 指揮者は実際のところ何をしているのでしょう? 彼は楽しそうでした 私はこの映像をよく経営幹部に見せています みんな困惑します 「仕事をしているのに どうしてあんな楽しそうなんだ? 何か間違ってるに違いない」 でも彼は幸せを放射しています この幸せが来ているのは 彼自身のストーリーや 彼の音楽の喜びからだけではないというのが重要です この喜びは 他の人々のストーリーを同時に 聞けるようにすることによるものなのです

via: イタイ・タルガム 「偉大な指揮者に学ぶリーダーシップ」 | Video on TED.com

ここは示唆深い指摘があります。

リーダーは楽しそうにしてはいけない?!

一つ目は「仕事をしているのにどうしてあんな楽しそうなんだ?」という経営幹部の視点。たしかに、「上に立つものは楽しんではいけない」というリーダーシップのあり方に対する固定概念が植えつけられていること。よく感じます。

音楽に対する責任感が強いばかりに、すべてをコントロールしようとして団員から退任をせまられた大指揮者リッカルド ムーティ。「指揮者が汗をかくのは何か間違っていて、むしろ観客が暖まることが大切」といった『十箇条の黄金律」を残したリヒャルト・シュトラウス。

あえて明確な指示を出さず、奏者同士がアンサンブルに耳を澄まさせる、ヘルベルト フォン カラヤン。それがある意味でも、無言のプレッシャーにもなっているという指摘。

様々な著名指揮者のスタイルとリーダーシップのあり方を重ね合わせてユーモアたっぷりに語るプレゼンテーションには圧巻です。どれも大きな学びがあります。

協調を導くのがリーダーシップ

二つ目に、「そこに参加する一人一人や場や物にあるすべての”ストーリー”を同時に重ね合わせて聞く幸せ。」それがコンサートである。という指摘。

情緒的ですばらしい指摘だと思います。

指揮者がリーダーシップの形容ならば、音楽というのは、私たちが豊かに生きて暮らすために欠かせないもの「人生」のメタファーです。

音楽をどのように楽しむか?というのは、暮らしや働き方をどのように楽しむか?というヒントにもつながります。

そう考えると、リーダーシップは会社のマネージングだけではなく、私たちの暮らしやよりより働き方や人生を心地よく導く導師的な役割でもあるのです。

そこには、コントロールではなく、人を信頼しながら、一人一人の可能性を引き出してまとめあげるか?いまの時代に必要な、リーダー像があぶり出てきます。

このプレゼンの最後が本当にすばらしいですね。

彼の顔に音楽を見ることができます 彼の手には もはや指揮棒はありません いまや演奏家たるあなた方が ストーリーを語るのです 逆転しています あなたがストーリーを語るのです たとえ短くとも あなたは語り手となり コミュニティ全体があなたに耳を傾けるのです バーンスタインがそれを可能にしているのです 素晴らしいと思いませんか?

ソーシャルメディア時代のリーダー像のあり方を象徴しています。もはやリーダーというのは、なにかの象徴でしかなくて、特定の誰かではないのかもしれません。

でも、確かに存在しています。威厳を示すのではなく、楽しみながら、でもその場に一体となって融和して影響を与えている存在。

そして、コミュニティが奏でる演奏をリーダー自ら楽しむこと。そのスタイルや境地。

アンコントローラブルな時代のリーダーシップ。何度見てもすばらしいく学びの多いスピーチです。