The Share原宿に住み始めて思った事(1)「ソーシャルメディアで学んだことがすべてある暮らし」

「キッチン編」

気がつけば「The Share原宿」引っ越してきて一ヶ月が過ぎた。とても短いようで、これほど密度の濃い1ヶ月もなかったと思う。

普通引っ越しをしてまずはじめることは、部屋のレイアウトや近所の散策だけど、ここシェアで最初に行って、そしてもっとも費やした事は、シェアの人達との交流。

思えば、引っ越してきてまずはじめるべきは「挨拶」が当たり前なのに、僕ら都市生活者はもうそれが当たり前ではなくなっている。

もちろん、シェアの暮らしにも人それぞれあって、まったくコミュニティに参加しない人もいるし、正直全体の半分近くは普段顔をあわす事がないかもしれない。

僕も正直ムラ社会的なコミュニティはついていけないと思うけど、ここでの出会いや交流は思っていた以上に楽しく、ほどよい(ある意味理想的な)距離感で心通わすことができる。とてもバランス感覚のよい人たちの集まりだと思う。

そして「the share」の名の通り、ただ自分の時間を過ごすだけでなく、物質的にも、精神的にも人とシェア(分かち合う)をする暮らしの醍醐味やその意味が味わうことで自分の中に起きつつある変化がいまとても大きな意味を持ち始めている。

それは、ソーシャルメディアで学んできた事(を教える立場としても)の、その本質を深く学ぶための、リアルな実践の場でもあるのだと思う。

「コミュニケーションの要はシェアキッチン」

シェアに住んでもっとも学んだ事は「キッチン」の大切さ。ここシェアでは基本、住人の人(もしくは同伴で)しかキッチンに入ってはいけない。ママたちの交流の起点が「公園デビュー」とすれば、シェアでは「キッチンデビュー」がそれにあたるかもしれない。

普段料理を滅多にすることのなかった自分も、不慣れなキッチンに入る事に躊躇があったし、最初はとてもぎこちなかったと思う。

でも勇気を振り絞って、調理を始め、また調理方法を教わったり、食材を貸し借りするようになって、気がつくといろいろな人と自然に交流できるようになっていた。

キッチンはいろいろな意味で話のきっかけが生まれやすいし、むしろ、誰かと話をしながら料理をすることで、今まで味わった事のない楽しい気持ちになれる。(ちょっとした褒められたい欲求もうまく作用して)

自分で言うのもなんだけど、こんなに急激に料理の腕が上達している気になれることも、ここにこなければなかったと思う。

設計してくれたリビタさんの様々な配慮が細部に行き渡っていて、そのすごさを使うほどに実感する。

例えば、キッチンの調理道具や食器はすべて共用で、特に「ストウブ鍋」は僕の料理に対する関心をものすごく高めてくれたし、キッチンや冷蔵庫、ストックヤードの広さや備品の充実具合をみても、まるで自宅にABCクッキングスクールがやってきたんじゃないか?と思うほど。モチベーション180%あがります。

この場所にきて、シェアキッチンに出会い自分の料理の腕が実感できるほど短期間に上達したことは、間接的に僕に対する信頼や評価も高めてくれているのだと思う。それは僕の力量ではなく、この「シェア」という場のすごさであること。

「恩恵をシェアにすることの大切さ」

年始に宣伝会議の2012年のソーシャルメディア予測で「信頼のデザイン」について書かせていただいた。でも、2012年始まってすぐ、このシェアを体験することで、僕自身がその意味を真っ先に学ぶことになったのだと思う。

僕がこのシェアで体験し実感しているもっとも大切なことは、この原宿The Shareの設計思想や建築へのこだわりは、「間接的に僕への信頼感を高めてくれている」ということ。

僕がすごいのではなく、設計者の美意識や事業運営者のこだわりの空間にただ暮らしているだけで、僕の能力があがったり、外から見て素敵に見えているという事実。

このことは、僕がパソコンやインターネットに出会った時の感動と同じで、僕がパソコンやネットを創ったわけでもないけど、こうした出会いによって、僕自身高められて、そして生計が立つほどに恩恵を受けている。

つまり、僕はパソコンやインターネットによって、多くの人に信頼されて生かされているのだと思う。

だからこそ、その恩恵を誰かに返さなければならないし、他の人も同じ恩恵が受けられるよう、その信頼のネットワークを大切にしていかなければと思っている。僕にとってのIT教育は、仕事ではなくその恩恵を返す行為。恩恵を受けた人の使命。

同じ様に、僕が偶然この場所、原宿The Shareに出会って、僕自身が恩恵を受けているのだとしたら、この場所を大切にする必要があるし、ここにいる人たちや、ここに来てくれる人たちも同じ様に周りから敬われる場所としてあり続けてほしいと思う。

人間関係だから、トラブルや信頼を失う事だってこれからあるかもしれない。でも、「シェア」に住むことによって実感できたこの気持ちを大切に、自分自身も、一緒にいる人や、出会った人の信頼をあげれるような自分になろうと、年始から決意新たにすることができた。

このことは自分にとっても大きな糧となったと思う。

最後にこれ書いていたら、近くの部屋の友達(わんちゃん)が、風邪ひいている僕を気遣ってアリナミンを差し入れに買ってきてくれた。シェアありがとう!

シェアすることで得られる力。

気づいた事沢山あるので、また続けます。

Sasaki Hiroshi

株式会社創庵 代表取締役 NHK教育テレビでIT番組の講師を12年歴任。 ソーシャルメディアによって、一人でも多くの人が自分の個性を生かし、新しい働き方、暮らし方を実践できるように、全国で地域、コミュニティづくり、教育、コンサルテーションを行っている。

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