2016年〜結び直します

新年あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくおねがいいたします。

昨年は、自分や子供の手術など、当たり前すぎて気づかない命や健康の大切さに改めて気づかされる一年でした。

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今の世の中は、健康に生まれて、両親に支えられ、ある程度の収入があり、そこそこの教育を受けた人を前提として、そうした人たちが<普通の生活>を最低限保障されている世界だと思います。
それは、戦後僕らが望んだライフスタイルであり、頑張れば報われる夢をエサに、そうした条件から外れないように、しのぎを削って生きてきた社会だったのかもしれません。
そうした、「当たり前」と思っていたことが、今の時代には違和感でしかなく、実感として伴わない雰囲気がどこから来るのか?

その不安の源泉をとても明確に読み解き直してくれた本があります。

戦後日本型循環モデル

父は働き、母は家で子をしつけ、子は良い大学を出て良い会社に入る〜という、それぞれの標準的に良しとされてた役割に対して、父(しごと)は母(くらし)に<お金>を入れ、母はそのお金で(くらし)を守り、子供に<教育>機会(まなび)を与え、子は良い成績(まなび)を収め、企業(しごと)に必要な<人材>となる。それぞれの一方通行の矢印がたまたま上手に機能し循環していた社会。

それを、著者は戦後日本型循環モデルと名付け、戦後の団塊世代ー社会の価値観を形成していった。というお話。

とてもわかりやすいです。

そして、団塊ジュニア世代では、その循環が機能しなくなり、形骸的に残ってしまった働き方や暮らし方。そして何のために学ぶのか?といった、本来の意味が問い直される時代にさしかかったこと。

古い価値観からシフトしきれず、また、そうした循環から漏れた人たち(非正規雇用やシングルマザー。不登校など)に対して、社会には十分なライフラインや政策が用意されていない。もしくは、機能できていないことに、警鐘を鳴らす内容でした。

思えば、「子どもが欲しくない」といった少子化の一因も、この一方通行の戦後日本型循環社会に対する、違和感や息苦しさへの漠然とした不安からきているのかもしれません。

働き方、暮らし方、学び方。それぞれの本来の意味や目的を見直し、これからの社会でどうあるべきか?

著者が時代を俯瞰し、問題を分かりやすく整理してくれたことで、今の時代の不安や違和感の在りどころが明確にできたと思います。

新しい「働き方」、「暮らし方」を創造するために

「学び方」<考え方>を見直してみる。

何のために働き、暮らすのか?そして、そのために何を学ぶのか?

僕らが常に問い直しているテーマです。

これまで、創業スクールなど、起業/自立支援教育事業、そして、シェアハウスやマルチハビテーションなど、これからのシェアリングエコノミー時代の暮らし方、地域づくりのための研究や勉強会など、行政の方々やデベロッパーや不動産関係の方々と議論や試行錯誤を重ねてきました。

そうした活動で僕らが大切にしてきたことは、

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「Have toからWant toへ」「ひとりでやらないこと」「小さくできることから実践」
という3つの理念でした。

孤独に働く。孤独に子育てをする。孤独に学ぶ。競争社会から、共創社会へのアプローチ。

特に、「ひとりでやらないこと」へのアプローチは、僕らのメインテーマでもあり、そのために、利害関係を超えて人とどのように関わっていくか?

新しい時代の仲間づくりや共感を学ぶ場としてソーシャルメディアを学びの場にしたり、協働的なワークショップや場作りに挑戦してきました。

シェアする暮らし方を考える。

また昨年は家族でCCRC型の多世帯共生ハウスに住み、他人同士の家族や独居高齢者と同じ屋根の下で暮らす試みを実践しています。(まだ、プライバシーや運営面での問題点などもあり、詳しくご紹介できるタイミングではありませんが)

そうした取り組みに対して、行政や国の政策にコミットして、公民連携の方法論を模索しています。

まだまだ課題は尽きないものの、過去の方法論が通用しない時代の、小さな持続可能性への実践的な挑戦を今年も続けていきたいと思います。

日本型循環モデルにたりないもの

この3つの役割や矢印が機能不全になりかけている今、それを支えるもの。そこに足りないものは明確です。
逆にいえば戦後に循環がうまくいきすぎた故におざなりにしてきたもの。

例えば、友達であり、趣味の仲間、地域、コミュニティ、利害を超えた多世代の交流といった、つながりです。

ムラ社会のように、同調性の強い原始共同体的なゲマインシャフトや、ソーシャルメディアのような匿名性の高い、弱いつながりの間にあるもの。ゲゼルシャフト。そのどちらかではなく、どちらにもあるような新しく多様で寛容なコミュニティ感。
そんな塩梅を今探しているのだと思います。

まずは暮らし方を変える

この数年シェア型のコミュニティ生活を通じて実感していることは、「物理的距離の近い関係との程よい協調関係」の大切さです。

究極的には「暮らし方」を変えることで、働き方や学び方が変わるのではないか?というのが僕らの仮説です。

社会における暮らし方や働き方、学び方といった構造の問いも重要ですが、個人個人が小さくできる「シェアする暮らし」の中で、様々な価値観をぶつけ合い協調を学び、問題解決していくことを、コミュニティで学ぶことができれば、そこから新しい暮らし方や働き方が見えてきてくるのだと思います。

シェアハウスに住むというだけでなく、学び場においても、グループで学び合う機会や、起業も誰かと一緒にしてみる。協調しシェアする。という実践から得られるもの。

2016年は日本型循環モデルを結び直す。「シェア」という考えかた。

その実践として、地域やまちづくりの視点でも、これからの理想の暮らし方や、働き方に向けて、学び場作り。自立支援。暮らし支援への模索を続けていきたいと思います。

シェアリングエコノミーの可能性を引き続き探ってまいりたいと思います。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。