RMTが生み出すモチベーション

RMT
RMTなど仮想通貨が現実の通貨に換金できるところが注目され、ビジネス的な側面が強調されてますが、実際にはセカンドライフで大きな収益を上げることは、ウェブでのアフリエイト同様に難しいのだと思います。
もちろん、可能性は大いにありますが、セカンドライフで大きく儲けられるエネルギーと才能をもった人ならば、仮想世界上(RMT)で儲けるという視点ではなく、リアルな事業との整合性の上でビジネスを進めていくのだと思います。つまり、セカンドライフだから簡単に儲けられるという発想では儲からないのでしょうね。
加えてまだまだ脆弱な仮想世界であることのリスクも同時に理解しないといけません。
むしろ、RMTの効用を考えれば、ビジネス的な側面もさておき、クリエイティブのモチベーションに作用することのほうが、セカンドライフの存亡を考えれば重要な点だと思います。
RMTをウェブの世界でいいかえれば「小額決済の課金システム」です。そう思えば可能性が見えてくる気がします。

自分が作ったファッションやアイテムを売ることができる。また、空間を美しく、ユニークに活用することで、沢山の人があつまり、そこで出会いやコミュニケーションが活性化する。
RMTがあるおかげで、大きく儲けようとするのではなく、たとえば、自分が作った(仮想の)サングラスが10L$(実際の現金だと3円程度)で売れたら、それはそれで嬉しいもの。
これまでのウェブの世界ではそういった小額決済のシステムがなかったので、たとえばクリエイターが壁紙やアイコンなどデザイン作ってもそれを3円で簡単に売り買いするようなシステムはなかったわけですね。
それが10個売れても30円ですし、実際にはデザインをセカンドライフに公開する過程や月額の会費などにコストはかかるので、割りにあうものではないのですが、幾ばくかでも気に入った人に買ってもらえる嬉しさを味わいたいのがクリエイターだと思います。
「3次元空間のウェブ」と考えるとすべて合点があうのですが、唯一違うのは、ワールドワイドウェブは一企業がつくったものではないということ。
対して、セカンドライフはリンデン社つくったもの。
その仮想空間のネットワーク上に土地を解放して、スクリプトを解放して自由に空間を作らせる試みは、「オープンソース」といえばインターネット的ですが、そこにRMTという仕組みを提供することで、安価にクリエイターの労働力をそろえ、リンデンの世界を構築させているようにすら思えます。
つまり従来のネットゲームのように、クリエイターやデザイナーを雇って世界観を作り、ユーザーに提供するのではなく、世界中のクリエイターからお金を取って(もちろん無料でも遊べますが)仮想世界の意匠を作らせる。という点でよくも悪くもネイティブなネット企業らしい理念を感じます。
正直、セカンドライフで空間を作ったり、アイテムをつくったり、外国人とばったりであって会話する楽しさは、インターネット本来の面白さを取り戻す感覚すら感じます。
ブログブーム以降、クリエイターやデザイナーにとってみれば、ウェブのデザインやウェブの仕掛けに意匠を凝らしたり、作ったサイトに海外からアクセスがきてクリエイター同士の交流が生まれるような、面白さが影を潜めていたような気がします。
クリエイターの気持ちをくすぐる面白さ。RMTによって、セカンドライフが破綻したり大きなトラブルで終了する可能性はまだまだありますが、これだけの意匠がセカンドライフ上にあることを考えると、簡単には終わらない、終われない価値がそこにあるような気がします。
プリムやデザインがこれから生まれるほかの仮想世界にエクスポートできるようになれば、話は変わりますが。