さまよう刃 : 東野 圭吾

さまよう刃
今回の機内読本には東野圭吾の「さまよう刃」

先日見た、映画「それでもボクはやってない」に通じるやるせなさ。
日本の裁判制度や警察組織の限界。法治国家というのは、誰のためにあるのか改めて考えさせられてしまう作品。

子供の頃から「お裁き」といえば大岡越前で育っててきた自分としては、そうした制度に対して楽観視をしすぎてしまっていたように思えてくる。

「大岡裁き」なんてそもそもテレビの茶番であるにも関わらず、いつしか僕らの中には最後に誰かこの世の正義は悪を裁いてくれると刷り込まれていたのかもしれない。

さまよう刃 (角川文庫)

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東野 圭吾
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悲観的に生きていくことも辛いけど、国家という温室で安全に暮らせるという幻想に、本来の自然界で生き抜き、自分の身を守る直感力や感性が大きく削られてしまっていることに気づく必要もあるのかもしれない。

それは、諦観ではなく、そうやって誰かに守ってもらえて安泰に生きていける社会ではない。という「覚悟」が必要な時代なのだろう。

読み終わったあと、砂利が奥歯あたりに残ってしまったような、なんとも言えない歯がゆくも苦い物語。