シッコ

笑えないシチュエーションを皮肉たっぷりの笑いにすりかえる奇才。マイケルムーア監督のシッコ。

今回のテーマは「医療制度」

カナダ、イギリス、フランス、キューバの医療制度に比較していかに米国の環境が劣悪でいるかを例にあげて取材しています。

医療制度の充実した先進国の例として日本が取材されないのも、さりげないメッセージなのかもと深読みしすぎしながらも、あながち米国の真似て成長してきた日本にも言いえている部分が散見できてぞっとします。
医療制度にかぎらず他国の社会保険制度についてなかなか接する機会がないのですが、こうして比較してみると、何を持って先進国なのか考えさせられますね。

自己責任で稼いだ分自由に使える国か、税金が高いかわりに、こうした社会保険制度が行き届いた国か。米国の例はとてもいいサンプルなのかもしれません。

税制の問題だけでなく、医療や教育、就労に対する不安な状態を「あえて」保つというのは、むしろ国民に健康や知恵、富を持たせる状態を避けさせるというか、よけいなパワーをもたせてコントロールしずらくするのを防いでいる・・・というくだりに、マイケルムーア流な皮肉が存分にこめられていた気がします。

あと、フランスの有給が1ヶ月?とか、退院後の療養休暇も3ヶ月間100%有給扱いになった事例、育児ケアで国から派遣された人が洗濯や料理まで作ってくれる例など、フランス在住の米国人が「あまりに制度の恩恵がすばらしすぎて、米国にすむ家族を思うとツライ・・」なんて言っているあたり、少し誇張しすぎな気がしましたが、たしかに、働きすぎ日本人ももっと外の世界に目を向けて、ライフスタイルやワークスタイルのあり方を見直す時期に来ているのかもしれません。

マイケルムーアの「入れ知恵」映画。今回も楽しませてもらいました。

取り上げている部分が少し極端な例が多いのですが、国や業界、政治などに興味のない層に向けてメッセージを届けるのがやはりうまいです。この監督。

 http://sicko.gyao.jp/