旅の車窓から

KC3A0218電車の旅もまたいいものだ。
車窓から手が届きそうな距離に人の生活がある。
景色の移ろいとともに、生活の様式も変わっていき、そこにある文化の痕跡みたいなものを目で追って探してみるのも楽しい。

生活のそばを通り抜けながら、決して立ち入ることのできない、疎外感もまたいい。

旅に出るとわざわざこの一人ぼっち感を求めているようなそんな自分がいる。

この傍観者のように何にも触れず通り過ぎてしまう感覚を感じているときが一番、自分が自分らしくあるような気もする。

トンネルにはいった。 窓に自分の顔が写る。

ふいをついた自分の顔は、どこか間が抜けている。

思い出したかのように口角をあげてよそ行きの顔を作ってみる。すると、とつぜん現実に戻ってしまったかのようなつまらなさを感じ、また間が抜けた顔にわざわざもどしておく。

このぼーっとした顔が一番素の自分なのだ。

駅で買った緑茶を飲みながらガタンゴトンと身を任せる旅。 このままどこまでもいけるような気がして、なんだか楽しい。