星守る犬

星守る犬

切ない話なんだけど、じんわりと暖かい気持ちになる本。

読む前から期待や先入観もちすぎると、少しあっさりぎみな印象。でも、素直に読むと人それぞれの読み取り方が楽しめそうな犬とオッサンの物語。

仕事や家族に見放されおじさんが犬と孤独なふたり?!旅にでる。少し胆略的すぎる流れだけど、ある意味、今の時代感とも重なるところもあって、きっと多くの人は行き場を失ったこの主人公の悲哀を他人事のように笑えないはず。

どれだけ近くにいる家族でも遠い存在にもなれば、言葉の通じない存在にとても深いつながりを感じる。その言葉を超えた「絆」のようなものにじんわり暖かいものを感じるけれど、それにしても、なにか道はあったろうに。と思うと少しやるせない。

本来あるべき、人と人の間にあるはずの「つながり」や「絆」。

言葉だけではつなぎとめることのできない「つながり」のようなもの。ペットや赤ん坊と向き合うように、言葉を超えたモノをどうして大人や社会は見失ってしまうのか。決して言葉のせいではないけれど、言葉に頼りすぎて見えなくなってしまう時代のような気もした。

人がわかりあう。とはどういこうことか? じんわりと考えさせられます。