映画「ブラックスワン」

以前から評判の高かった「ブラックスワン」やっと観ることができました。

多くの人が一様に「怖い」と漏らしていたこの映画。

確かに「怖い」

その怖さが、ホラー映画とも違う、なにか新しい体験というか、言葉に表しがたい怖さ。

この写真のように、鏡に映る自分の姿をじっと眺めていると、ほら。見え隠れする「本当の自分」。

その「本当の自分」が怖いなんて想像したことありますか?

きっと、普通の人は何も考えないと思います。

考えないように生きているのだとも思います。

朝起きると髪の毛がボサボサになるようにできているのは、きっと、そうした本質から目をそらすための配慮なんです。

完璧な自分なんていないんだということを、ボサボサの寝癖が教えてくれているのです。

でも、「いや、私はどこから観ても完璧ですばらしい人間なはず」なんて考え始めたら、鏡の自分を疑わしく思うかもしれません。

多くの人の眠れる何かを呼び覚ましてしまいそうな、そんなするどい視点と角度を芸術性高く表現してしまったところがこの映画のよくできたところだと思います。

凡人である僕らですら「怖い」と思ってしまうあたり、誰の心にもある「本当の自分」という深淵は、エンターテイメントでもありホラーでもあることを、この映画は掘り当ててしまったのかもしれません。

マイケルジャクソンのスリラーのような、ゾンビが墓から出てくるホラーが懐かしくさえ思える、芸術性の高い新型ホラーとも呼べそうな映画。

よくできています。