映画「告白」

いやぁ。驚いた。邦画の底力。ひさびさに球筋のよいシャープでずっしりと重いボールを受け取ったそんな映画。

中島監督らしく、でも物語を壊さない映像表現もすばらしく、良く練られたストーリー、そして松たか子の演技もいい。

2009年の本屋大賞を受賞した湊かなえの同名小説を、『嫌われ松子の一生』の中島哲也監督が映画化。娘を殺されたシングルマザーの教師を、松たか子が鮮烈に演じている。中島監督は、これまでのポップな演出とは打って変わったリアリティあふれる映像を見せる。一見無邪気に見える13歳の中学生たち。彼らの中に潜む残酷な心の闇が巻き起こした事件が、女教師の告白をきっかけに拡散していく様子は、観る者の心を波立たせずにはおかないだろう。娘を殺された母を演じた松たか子、犯人Bの母を演じた木村佳乃、二人の母親を演じた女優たちも会心の演技。子どもと母親の関係性、現代の子どもたちの生き辛さを、痛いほどに生々しく描き出した問題作だ。(goo映画

正直重い。でも、その重さがただの「重苦しさ」ではなく、きちんとエンターテイメントとして成立している。むやみにテンポのよい演出でもない割に、伏線の張り方やその表現で映画の時間も感じさせない。まったく飽きる点が見当たらなかった。

独白(告白)で語られ続けながら、心象風景が画に映り込みまさに映画ならではの面白さ。いや、本当に久々にいい映画を受け止めた気がして、この放心状態の中にも心地良さすら感じる観終えた感ある映画でした。

原作も素晴らしいですが、その作品を見事映画として完成度を高めた感じがして、中島監督含めて、このチームの作品をもっともっと観てみたい。そんな気にさせる出来栄えです。次の作品が楽しみ。

邦画まだまだいいね。どぎついシーンが多いけれど、まだ観ていない人はぜひ。これはオススメです。