言葉は差別しない

昨晩放送していた、NHKBSの、ハイビジョン特集 シリーズこの国を見つめ「新在日外国人」の中で在日のアメリカ人で詩人の男性が語っていた印象的な言葉。
日本語もままならないまま、日本にやってきて、商店街の軒先で生活に触れ言葉を覚えていったという氏。日本語で詩や絵本を創作している。録画しなかったので、彼の名前を思い出せないが、今度探して読んでみたい。
その彼がインタビューの中で、「国は差別するかもしれないけど、言葉は差別しない。そこに真剣に向かおうとすれば、言葉は僕を受け入れてくれる」と優しい物腰の日本語で語っていた。この言葉がとても印象的だった。
さまざまな国籍をもつ人が出演していたのですが、一様に物腰が柔らかく見えたのは、彼らの影響受けた日本の文化というのは、こういうやわらかさなのかもしれない。そして、日本人である僕らが忘れてしまっているもの。捨てようとしているもの。
そんなことをぼんやりと感じながら眺めていた。
この番組を作っているディレクターも在日2世。自らの答えをさぐるように、自らに問いかけるように追い続けるその姿勢があらわれていて、観ている僕も一緒に自分を問いかけてしまいそうになる一分の無駄のないドキュメンタリーでした。もう一度観たい。
少し言葉がうろ覚えですが、他に印象に残ったところ。
最後にディレクター本人が自分自身を問いかけるシーンで、「玄さん(ディレクター)はパスポートや国籍が欲しいわけではない。自由が欲しいんだよ。それはパスポートや国籍で手に入るものじゃないでしょ。」と古くからの知人で同じく日本在住経験の長い韓国籍の同僚に言われて、言葉を返せない場面。
日本のパスポートは世界中どこにでもいける表面的なメリットもある。でも、本当はそういった自由ではなくて、日本で生まれて日本国籍をもつ僕らのような普通の人が、普通に手にしている(そしてそれを意識せず生きている)心の自由を彼らは求めているのだろう。
外にいるから見えることもある。いや、むしろ外にいないと見えないもの。
「日本は好き。だけど、もっと良くなってもらいたい」口々、一様に語られる言葉。僕らももっと日本を好きになり、もっと良くしようと思わなきゃダメだ。色々な意味恥ずかしながらはっとさせられた。
最後に、番組とは関係ないけど山本夏彦さんの言葉を思い出した。
 「私たちはある国に住むのではない。ある国語に住むのだ。祖国とは、国語だ」