問題を抱えた一家が娘の晴れ舞台出場のためにおんぼろの黄色いワーゲンバスに乗って1000kmのドライブ。分裂気味の家族が旅を通じて絆を取り戻して行くハートウォーミングなロードムービー。
こういう車で旅する系のロードムービーはすごく好き。なにか悩み事があって、車やバイクに乗って旅に出たい気分のとき、車の存在は無表情にも感情に寄り添ってくれるというか、なにも言わずにそばにいてくれる心強い存在です。
この映画のワーゲンバスもまた、そのオンボロの老体にムチ打ちながら家族をのせては走る姿が印象的で、実はだれよりも家族の絆を結びつけた立役者。この映画の大切な配役です。
女の子がお兄さんにそっと寄り添うシーンや、ヘロイン中毒のむちゃくちゃなおじいさんが、実は心強く家族を励まし続けているあたり、そんな優しさや暖かさをこの車に重ね合わせてみれます。
この車にも助演男優賞(女優?)をあげたいくらい。
一生懸命さと、人を思いやる気持ち。
まったく説教臭くなく、そんな一途さを愛おしく感じさせてくれる映画でした。
優しい気持ちで泣けます。おすすめです!