いつか読書する日

映画「いつか読書する日」を観る。
ひさびさに日本の情緒的な恋愛映画が観たくなって、何のレビューも読まずに観ました。
わかりやすい活劇映画ばかり観すぎたせいか、「え?こんな展開ですか・・?」と思える、個人的には納得いかない筋があるものの、じんわり淡々と流れる日常に描かれた繊細なストーリーが観終わった後にじわっと心にしみこんでくる映画でした。


こういう日本映画は、日本人の奥底にある白黒はっきりしない機微のようなものを描くので、刺激が足りなくてもどかしくなるのですが、このもどかしさがせつなくて、いとおしく感じてしまうんですよね。まったく面白くない日常を見せつけられても、最後まで観てしまう。
最後に印象に残ったセリフ。うろ覚えですが、

「あなたは自分の気持ちを殺していきてきたけど、それはまわりの気持ちも殺してきたのよ。」


目の前の人に対してよかれと、自分を押し殺して生きることは、知らぬ間にその人を傷つけることもある。
我慢してやりすごせばいいやと思う日常は沢山あるのですが、そんな思いを抱えてすごしている自分の顔をふと鏡でみてしまったような、ドキッとする言葉でした。
派手さはないけど、秋の夜長にはぴったりかもしれません。

Shareこの記事をシェアしよう!