何が悲しくて、何が悔しいのか。
整理することができないまま、涙があふれてくる。
今日、見送った後、最後に二人でみた景色を眺めにここにきた。
できれば、こんな場所じゃなくて、いつしか湖で乗せてもらった、二人乗りのヨットで風にゆられながら、のんびり語り合っていたかった。
もっと言いたいことも聞きたいこともたくさんあったのに、いまでは、壊れたラジオのように遠い記憶からかすれてくる声しか聞こえない。
目を閉じて周波数をあわせる。まだ聞こえていなかった言葉がないか。のこしてくれたメッセージを探すように。
しばらくはその宿題をこなす日々が続きそう。