面白い!歌舞伎を舞台にした、「ガラスの仮面」のような作品?!
「観客」と「演じる人」の「気」をテーマにした作品です。
人が魅了される「人気」という「気」「男気」、「色気」・・目に見えないものを演じわけて表現する歌舞伎や古典芸能の世界は、そうした「気」のもつ力を深く理解して成り立っているのかもしれない。なんて、改めて芸能の深さや興味を持たせてくれる作品でした。
演劇というのは役を演じる場所ではなくて、観客や縁者との「気」の交換を高度に楽しむ場所。
世阿弥の時代からそれを深く追求していたのかと思うと、今の時代のほうが鈍くなっている気もしてしまう。
マーケットや世界を動かしているのは、「情報」ではなくて、「気配」。気配という情報。マーケットや世界ではなくて人が動くのだから。
世界という舞台を一流の役者人が一世一代の舞台を踏んで私たちをまやかし続けているのだとしたら、この演劇はおもしろいかどうか?魅了されているうちはいいですが、ほころびが見えるとさめてくる。いまそんな時代にいるのかもしれません。
だとしたら、「気」を感じる力、「気」を魅せる力が大切なんでしょうね。
演劇や古典芸能に触れたり、舞台に立ってみて人前で何かを演じてみたり、また、ブログも含めて何かを表現するというのは、自分の「気」や見ている人の「気」を感じるトレーニングなのかもしれませんね。
だいぶ、漫画と話がそれましたが、読んでいると歌舞伎を観に行きたくなる作品です。
早く全巻一気読みで体感したい。モーニングで連載中なので、ぜひ。