前回みたパプリカつながりで、この映画をチョイス。
過度な期待をせずに観れば、非常に楽しめるよくできたストーリー。
映画の3分の2くらいまで、入れ子構造になった物語の複雑さが何を示しているのかわからずとも、ただ、その世界観にぐいぐい引き込まれてしまうだけの、不思議な魅力がある。
後半、結末をイメージしながら物語の集結に向けて畳み込み落とすような展開も最後までうまく裏切りられながら、さわやかにおわる。すがすがしさが残る映画でした。
思えば役者という生き様は、空間や時間を越えて、あたかもその時代、場所に生きているかのごとく振舞うことが許される不思議な存在。
いきなり自分が「拙者は、なにがしと申すものでござる」とか言い始めたら、みんなびっくりするに違いないけど、役者なら「芝居」としてその言葉を理解していくれる。
いや、一流の役者なら、まさにそこにタイムスリップしてきた人物を間近に感じてしまうだろう。まさに「かぶく者」の世界。
パソコンがなくてもバーチャルな体験を提供できる存在かもしれない。
さておき、この映画そのものも、時間と空間を越えながら、現実と映画の世界とを編み物のように縫っていくあたり、前回みたパプリカに共通するものがあって一貫した作風がより興味をひきたててくれた。
ここまできたら、パーフェクトブルーもぜひ観てみたい!