名探偵の掟

まさに、つっこみどころ満載の小説。というか、小説なのかも疑わしい、少しありえない作風。

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「なにを出しても売れなかった頃、やけくそで書いたのが本書だ。」

著者の言葉通り、すこし捨て鉢で逆ギレな展開に思わずのけぞりながら、こんな書き方もありか・・と思うと、なんだか肩の力が抜けておもしろくなってくる。

だいいち、読者のことを先回りして自作自演的に物語を進めていく小説の主人公なんてみたことがない。

著者の「執筆」という苦悩やプロセスを主人公にうまく語らせているあたり、自問的な世界をつぶやくように表現してしまうブログやネット的な今の時代的な感覚にも通じる。それをミステリー小説という舞台でエンターテイメント化しているんだからすごい。

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