映画「MINAMATA」

映画「MINAMATA」を観る。

色々な思いが込み上げてきて、ひとつにまとめるのは難しい。

どのスイッチを入れて書こうかな。と一晩考えてた。

この映画は実話をもとにしているけど、ドキュメンタリーではなくエンターテイメント。

配給を考えるとどうしても各方面に配慮してしまうゆえ、史実を少し解釈して綺麗におさめてしまっている。

だからこそ、この映画をきっかけに、この問題に関心を寄せて自分なりに調べてみるには良いと思う。

「写真は写真家の魂も少しづつ奪っていく」

写真家ユージン・スミス氏が映画内で語った「写真は写真家の魂も少しづつ奪っていく」「撮る方も傷つく。だから本気に向き合わないといけない」というセリフには、こうした当事者問題に対して第三者がどのように向き合って介入していくべきか。のヒントがある。

当事者の思いを直接知ることは難しいけど、ファインダーを通すことで、時により深く近づき、寄り添うこともできる。

つまり、表現者としてファインダーや原稿用紙という枠から自分の時間軸で対象を見つめ直し対話すること。

彼が、写真の現像をするときに、印画紙に直接手を触れ、その手の暖かさを紙に伝えることでよりよい写真になる。というシーンがあるけど、まさに、「撮る」だけでなく、現像という「プロセス」もまた、自分の中で被写体と寄り添う大切な時間。

こうした、関わり方もあるということ。

実際にカメラをもっていなくても、ファイダーをのぞくように記憶に留め、あとでゆっくり向き合うことも大切なのだと思う。

「1枚の写真は1000の言葉に値する」

これも主人公が言いかけて辞めたセリフ。

それは「語り尽くせない思いを一枚の写真にこめる」という意味にも思える。

でも、それが常に表現できているか?も怪しい。この言葉にある矛盾や葛藤がよく伝わる印象的なシーン。

実際に、彼が水俣で感じた語り得ない言葉たちが、写真に写っていたから多くの人の心を捉えたの他のだろう。

父親役の浅野忠信さんの演技が本当に素晴らしかった。

映画的には、脇を固める役者陣が素晴らしい。大好きな役者ばかりで、すごく良かった。

特に前半出てくる、水俣病患者の父親役の浅野忠信が本当に素晴らしい。

彼以外だったら、こんなふうな親の心情を表現できなかっただろうと思うし、その彼のセリフが終幕にとても大事な役割を果たしている。ネタばれしたくないので、ぜひ観てほしい。

この映画のとても大切な部分を表しているように感じた。

美談で終わらせることができないテーマだけに、若干の違和感は残ってもエンターテイメントにしか描けない視点もあって、その点、作品に込められたメッセージが丁寧に伝わってくるとても素晴らしい映画でした。

アマプラで観れます。

Shareこの記事をシェアしよう!