小山 登美夫 成田空港で今回の機内読本として購入。面白かったので知人にあげました。
アート業界というと、権威主義的なにおいがして、身近に感じることができづらいのですが、この本を読むと、ぐっと現代アートの世界が身近になります。
以前、仕事場にしていたマンションの一室を開放してギャラリーを開いたことがあるのですが、それに似ている考え方で、ホテルの一室をそのままギャラリーにしてしまうイベントがあるらしく、ギャラリストがアーティストの作品をもって宿泊して、朝起きたらそこに絵を飾ってドアを開け放つらしいのですが、すごくいいアイデアです。
ただ、マンションの一室でやってみて思ったのですが、たぶん入りづらいですよね。来てくれた人は相当勇気があったと思います。
そのあたりの積極性も国民性があって、きっと現代アートに対する理解や関心も欧米のほうが積極的なんでしょうね。そうした現在の現代アート事情や、文化についてとてもわかりやすく、テンポよくまとまっています。
ギャラリストという職業。なにも大金持ちが道楽でやっているだけではなくて、アートに対する情熱とそうした価値を広くプレスすることで、アーティストとともに、ビジネスとして付加価値を生み出していこうとする、いわばプロデューサー。
こうした語り口でアートの世界を身近に感じさせてくれる書籍に出会えてよかったです。