“限界集落ーMarginal Village” (梶井照陰)
都内のスタジオで撮影。その足で家族を迎えに成田空港に。間に合わないかと思ったけど、ゆっくり走って成田到着と同時に飛行機到着。
最近、燃料高騰の影響かあきあらかに自動車の数が減っていて、計算よりもいくぶん目的地に早く着くような気がする。
待っている間、またこの本を読む。読みたい本はたくさんあるのに、なぜか急いで家を出るときに、この本をつかんで出てきてしまった。
何となくもの悲しくなる、時代の流れに取り残された日本の集落のはなし。
平成の大合併、郵政の民営化、ATMも郵便も経営の効率化から集落を離れていく。
廃校が増え、子供を持つ若者は田舎には戻れない。
林業や農業が輸入材料や自由化によって、生計が成り立たなくなり山や田畑を捨てて地があれていく。
何度読み返したところで、こんなことを書いたところで無力さはつのる。
ここに登場する日本各地に住む限界集落の住人はひとりとして「この現状をなんとかしてほしい」とは言わない。
いや心の中で誰もがそう願っているはずなのに、なぜか物静かにすべての流れを受け入れているようにすら思う。著者の写真と視線からそうさせるのか、諦観とは違う不思議な人柄が一様に映し出されている。
極端にポジティブでもなければ、自分の運命に否定的でもない。なんだかそこに、日本人らしさがあるような気がして、この本にはもの悲しい気分だけではない不思議な安らぎ感みたいなものが得れるようで、なんども読み返してしまう。
読んでいるだけで、ふと静かな気分になれる。これってどうしてなんだろう?って問いかけてみたかったので、また登場。