映画「陰陽師II」を観る。
「あまり天の動きに惑わされるな。博雅。
鬼も世の乱れも、人の迷い心があって生まれるもの。」
前作に続き安倍晴明(野村萬斎)が語る言葉には不思議な説得力がある。
「人は呪(しゅ)によって縛られている。」という前作の言葉も深かった。人を縛る呪というのは、その人の地位や愛情や欲望をさすのだが、もっともわかりやすい呪が人の「名前」にある。という一節。
迷える時は古き言葉や文字に注目してみると、真理がそこに隠れているのかもしれない。
それにしても野村萬斎の立ち振る舞い、座ったアゴの位置。突き刺すようで妖艶な目線。声の艶。それを観るだけでも価値ある映画かもしれない。