アモーレス・ペロス

「アモーレ」愛、「ペロス」犬。「犬のような愛」。観終えた後、この直訳をサイトでみつけて、少しふに落ちた。メキシコの長編映画。

エゴなまでの愛に突き進む3人のオムニバス。正直見始めの第一幕は、その愛憎が濃すぎてヒヤヒヤするやら、直視できず妙に体に緊張が入ってしまった。

一旦、一時停止を押したほど。

その貪欲なまでのエゴイズム。獰猛な犬のほうがむしろ、人間的にすら見えてしまう。

しかし、このあたり、この監督の人間観察の鋭さがひかっていて、一見本能的にみえるエゴイズムさの中に、人たる知性がちゃんと混ざっている。そこが、シーンの合間に見え隠れする度に、愛に激走しようとする瞬間の激しいまでもの人間らしい葛藤や苦悩があぶりでるように描かれている。

まさにこの映画は、ただの狂気的な愛憎映画ではなく、極めて人間らしい愛に苦しむ狂気的な姿が描かれていて、バイオレンスに見えて、とても人間ドラマになっていた。

その上、ラテンな映画なので、すごく濃い。濃厚な人間ドラマをたっぷりみせつけられて、お腹いっぱい感はあるものの、2時間強の間に人間の業の深さをこれほどまで味わえるのも映画のすごさ。

日本人にはやはりコッテリだけど、たまにはこんなスパイシーな映画もいいかも。音楽も素晴らしく良くて、サントラ欲しくなった。

すごい映画でした。オススメ◎

アモーレス・ペロス.