飼い主のコントロールが効かなくなった問題犬をカリスマドックトレーナー、シーザー・ミランが劇的ビフォーアフターしていく番組。
人差し指を立てて「シッ!」とする仕草や、さりげなく犬の脇腹をチョップするあたり、一瞬ドキッとしますが、それは「攻撃」ではなく、犬の本能的野生感を一瞬で沈める呪術のようで、その瞬間に犬とトレーナーの立場が画面上ではっきりわかるのも見所です。
でも、こんな風に言うと、魔法のようなしつけ術で犬をパパッ!と改善していくように思えますが、このシーザーがスゴイところは、まず犬が何に不安や苛立ちを覚えているかをじっと観察し、言葉でねじ伏せる様にコントロールするのではなく、アイコンタクトやエネルギーといった言葉ではない力で、犬との主従関係をはっきりさせ、信頼や尊厳といった人間の世界にも通じる考え方で根気づよく関係を築いていくところ。
「コントロール」ではなく「信頼」によって犬の心を「安定」させること。
相手の立場や気持ちをサインから察し、その不安を解消させ、喜びを与え信頼関係を築く。
そうした、犬との関係を築いて行くプロセスや考え方は、まさに、言葉や地位や社会的ステータスなどで相手との主従関係をコントロールしようとしてきたが故に、そうしたものに頼り過ぎて、本質的な信頼関係や尊厳を得ることができていない、人間社会へのアンチテーゼにも思えます。
下手なマネジメント本や人間関係を良くする何たらという本を読むより、このドラマを観た方が、より深い気づきが得られるはず。
時に針を縫うような怪我をおいながら、数ヶ月かけて更正させるも、赤ん坊のいる家にはリスクが高いということで、飼い主にお別れをさせたり、犬を飼うことの覚悟や責任、愛情のあり方など、美談だけではない、ストーリーもあります。
シーズン6が現在Huluで放映されていますが、バックナンバーも全部観たくなる、隠れたヒット番組。
Hulu入っている方はぜひ、1話だけでも観てみてください!
犬を飼っていなくても、とても勉強になります。
ザ・カリスマ ドッグトレーナー ~犬の気持ち、わかります~ .
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