初台にあるICCで2010年7月4日(日)まで開催している、ダムタイプ ヴィデオ上映会に行ってきました。
Dump Typeは1984年に京都市立芸術大学の学生を中心に結成されたアーティストグループ。
メディアアートやビデオアート好きな人ならきっと避けて通れない存在。
今日見た作品は「memorandum」
前衛的なメディアアートという先入観があると、偶発的な実験映像を浴びるようにみせられて、解釈する疲労感の合間に「別のなにか」を突き刺して無意識に土足で刷り込んでくるような作品を想像してしまうけど、曖昧さすらを意図し計算しつくして表現したかのような集中力ある演出にまさに度肝を抜かれる。
「一度記憶を消去して目の前にある世界を解釈しなおすとしたら。」そこにあるのは現実なのか、虚構なのか?それとも、それ以外のなにかか?
目の前で上映されているそうした追体験的世界には、時間軸だけでなく、別の次元すらを感じさせる奥行がある。まさに。現実と虚構以外のなにか。
Appleのジョナサンアイブの言葉を借りて「想像を超えたなにか(新しいユーザー体験)が魔法」というのなら、これも新しい体験であり、魔法の世界だ。
デヴィットリンチの映画にもどこか通じるものを感じる。意図された夢想の世界と計算された虚構の構図。テクノロジーの社会で奪われそうになる記憶という「何か」を壊し再生する芸術の力。不安を破壊してしまうことへの不安。
言葉では足りない。こんなどこかで借りたような言葉ではなく、是非、何も考えずに全身で堪能いただきたい。
上映は無料ですが、20分前から整理券配ってます。土日のみ開催というとこもあって、ちょっと早めにいかないと入れないかもしれません。
正直、今日友達と一緒に行けて本当に良かった。もし一人でこっそりと行ったなら、今日一日は誰とも口をききたくないというか、世間話でもしようものなら、 この気持ちが急速に薄まっていきそうで怖い。それくらい、ズシンと衝撃を全身で受けてしまう作品でした。
開催日時:2010年5月22日(土)―7月4日(日)の毎週土・日曜日
各日 午前11時30分,午後1時30分,午後3時30分より
会場:ICCシアター 定員:27名 入場無料
詳細:http://bit.ly/cQHIln
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