ダーチャのある暮らし

 

dacha photo

Photo by sovraskin_k

“ロシアに学ぶ週末術―ダーチャのある暮らし” (豊田 菜穂子)

週末知人の日本版ダーチャのお誘いがあって、今日のようにカラッと晴れてくれたら行ってみようと思いつつ、この本を読み返す。

ダーチャとは、ロシア語で別荘。いや、別荘というよりは、都市生活者がもっている菜園付き田舎家みたいな感じ。なんとモスクワにいる都市生活者(約1000万人)のうちダーチャを持っている人は一説によるとなんと75%!しかもロシア人の10世帯中8世帯は素人農園をしており、ロシアのジャガイモの生産量の9割以上が素人農園の勝手栽培によるものらしい・・・・

おそるべき自給自足力。ダーチャはソ連時代に市民に土地を無料で提供したのがはじまりで、いまでは、週末農園や夏休みの別荘としてロシアの人にとっては当たり前の存在。そんな政策が功を奏してロシア人の自分の生活や食料を自分でまかなうという開拓精神や勝手農園市場の形成がうまれて、現在に至るらしい。

なによりも面白いのが、一般的なダーチャの土地は約180坪(20mx30mの土地)かなりひろい!んだけど、もらったのはただの土地だけで、あと家も菜園も勝手に作りなさい。というなんともざっくりしたもの。

そこにロシア人のサバイバル精神があいまって、見よう見まねで家を造ったり小屋を建てて菜園活動にいそしんだらしく、そのあたりが日本人の感覚とはちがって面白い。ロシアの都市生活者はみんなダッシュ村を運営しているようなもの。(最近では経済発展もしダーチャがいわゆる「別荘」的なレジャー産業化してきた向きもあるそうなのだが)

きっと日本人なら家は大工が作るもので、勝手に建ててはいけない。的な発想がきっとあって、電気も水道もない土地を与えられても、なにからはじめていいかわわからなくなるかもしれない。土地をもらってすぐ行動を起こすあたり、どこかセカンドライフ的な視点にも通じるところがある。

ちなみに、ロシアには「空いている土地は貸さねばならない」という法律があって、国家や地方自治体の土地で空いた場所は都市生活者の市民農園として開放する。というなんとも前進的な法律で、余った国有の土地は役所の認可がなかなかおりず手つかず・・のような日本とは少し違って面白い。

自給自足率の危機的な日本だからこそ、ロシアのダーチャから学ぶものがあるのではないか?と思う。

ちなみに「ダーチャ」とは、「ダーチ」与える。という言葉から来たそうだ。

食料に限らず、助け合って自立・協調しながら魅力と活気ある日本になるための一つの方法論として、行政単位で小さなダーチャ運動とか起こせないものかな?