1970年代のアメリカ。マイノリティのために戦った実在の政治家ハーヴィーミルク。人生最後の8年間を綴った映画。
自らの死期を悟った主人公の遺言テープとともに回想からはじまる。
1972年、40歳の誕生日を迎える主人公ハーヴィーミルク(ショーン・ペン)
「生き方を変えたい」「誇れることをなにもしていない」と自ら告白し自信喪失している彼に、「新しい世界、新しい友だちを持つべきだよ」と励ます恋人。
恋人とともに、ニューヨークからサンフランシスコに移住し新しい人生を築きはじめ、やがて同性愛者初の政治家となる。
彼の行動によってどれだけの人が希望をもてたことか。新年にふさわしく非常に感動的な映画でした。
映画では当然それまで非常に難しい立場だったマイノリティに対しての希望の道を開いたストーリーでしたが、「希望をもつ」という点に関しては、いま、希望や自信を失っている人すべての人に伝わるメッセージなんじゃないかなと思います。
誰もがこの主人公のように。「生き方を変えたい」と弱気になってしまう時もあるし、無力さに諦めてしまうことも当然あります。時代全体が多くの人の希望をそいでしまうような現状をいかに乗り越えるか?そのために必要なものやヒントがこの映画には多く含まれている気がしました。
自分の心を動かし、人を動かす力。繊細で折れそうな心が寄り添いながら、力強く束になり生きていこうとする。社会から切り離され孤独を感じるからこそ、つながることをへの意味を大切にする。
いま、僕らの時代は知らぬ間に「つながっている(ような)」幻想に孤独を感じる心を麻痺させられて、本質的なつながりの意味を見失っているような気もしました。
この映画をみて家族とはなにか。恋愛とはなにか?コミュニティとはなにか?性別や社会的な属性を越えて「繋がる」ことの意味を改めて考えさせてくれた気がします。
最後に力強いメッセージで締めくくられます。
希望がなければ私たちはあきらめてしまう。
もちろん希望だけでは生きてられない。
でも、希望がなければ人生は生きる価値などない
2011年も始まりました。
心を開いて助けあうことで切り開く社会なんだと思います。
まだまだ、自分自身の修行が足りてませんが、もっと希望のもてる社会を創造できる自分でありたいと思います。
その勇気をくれたこの映画に本当に感謝です。
今年も一年どうぞよろしくお願いいたします。
佐々木