覚悟を持った人は強い。“恐れの先に、希望がある”~小児外科医・山髙篤行


覚悟を決めた人に出会うと、こっちまで胸が熱くなってしまうのはどうしてだろう?

小児外科のスペシャリスト、山髙篤行さんのドキュメンタリーは、その生き方、発する言葉1つ1つに、人の心を凛とさせる、力強さとしなやかさを感じる素晴らしいものでした。

人を鼓舞するような外向きな情熱ではなく、目の前の現実に全身全霊で向き合い、自分と孤独に戦っている人の情熱。

自分のミッションに忠実に情熱的に生きる人の強さ。そんな人に久々に出会えた気がしましす。

山髙篤行(やまたか あつゆき)(2015年3月16日放送)| これまでの放送 | NHK プロフェッショナル 仕事の流儀

なぜ覚悟を持った人は強いのか?

当たり前すぎる命題ですが、このドキュメンタリーから学んだことを書いてみたいと思います。

いまあるものに集中する

未来を変える人は、「今」という現実から逃げない意思を持ち、今できることを常に考る人。

今ないものを思考するのではなく、今あるものにフォーカスする。使うエネルギーは同じですが、生み出される結果が大きく違うんでしょうね。だから、その瞬間に意識を向けている人は、オーラを感じます。

臆病だから強い

とはいえ、目の前から逃げない。というと、相当ストイックか、強い人だけが持つ特権のように思えますが、むしろ、弱くて、臆病で立ち止まると怖いからこそ、強くなれることもあること。

山髙さんは、幼少期から極度な心配性でそんな自分に嫌悪があったそうです。彼らしいエピソードがありました。

手術は準備が9割。

「手術をキメられるか、キメられないかっていういちばん大きな要因は、手術の前の準備。9割が手術前で決まっていて、手術は変な話、手術する前に終わっているってこと」。

自分に自信がある人は、ただ闇雲に「自分は完璧だからできる」と念仏のように言い聞かせて、本番に臨みますが、彼の場合は、自分の心配性や臆病さを知っているので、それを脱ぐために、なんども準備をするんですね。

怖いから一生懸命勉強する

山髙が準備にこだわるのには、もう一つ大きな要因がある。幼少期からの「気が小さい」性格だ。子どもの頃はその性格がたまらなく嫌だったが、小児外科医になるとその「石橋をたたいて渡る」性格こそが、最大の武器になることに気づく。「気が小さいっていうか、おびえているっていうか。だから大きい手術、難しい手術があると怖いんです。だけど怖いから、一生懸命勉強する。すると、最初は治せるのかっていう不安が、だんだんとできるなっていう自信に変わってくるんです」

やはり、できない理由を探すのではなく、できる理由を常に探せる人は強いですね。

彼の曇りのない眼差しや言動から、本物の強さみたいなものを感じた気がしました。

毎日幼い命と向き合っている、真摯な生き方。お医者さんとしての生き方だけでなく、父としてのあり方にも大きくまなぶところがあります。