魔法少女まどか☆マギカを見て人類の未来に思いを馳せる

いやぁ。面白かった。萌え系アニメは観る機会がないと思っていたけど、今更にみて、面白くてハマってしまった。他にもおすすめあったら、どんどん教えてください。

さて、このアニメ。2011年の作品なので、随分あちこちで論じられていると思うけど、僕の周辺には観ていない人も多いと思うので、ネタバレを気をつけつつ、感じたところ書いて観ます。

アマゾンプライムで視聴可能

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大好きな家族がいて、親友がいて、時には笑い、時には泣く、そんなどこにでもある日常。市立見滝原中学校に通う、普通の中学二年生・鹿目まどかも、そんな日常の中で暮らす一人。ある日、彼女に不思議な出会いが訪れる。この出会いは偶然なのか、必然なのか、彼女はまだ知らない。それは、彼女の運命を変えてしまうような出会い――それは、新たなる魔法少女物語の始まり――(C)Magica Quartet/Aniplex・Madoka Partners・MBS

ちなみにアニメ版はプライムビデオで全12話が見れるので、これがおすすめです。映画版はこのアニメが前編・後編にまとまっているので時間がない人は映画版もいいかもしれません。

そして、まだ観てませんが、この続編の映画「叛逆の物語」へと続きます。楽しみ。

救えないけど希望を感じるストーリー

このアニメ。「ひとつだけ願いを叶える代わりに魔法少女にならない?」と、謎の生き物「キュゥべえ」のリクルーティングからはじまる。

一瞬ファンタジックだけど、その願いを叶える代わりに、永遠に魔女と戦いつづけなければならない。

最終的には本当に救われないストーリーで、絶望を味わうのですが、それでも、どこかに希望や救いもあって、その不思議な感じがこのアニメの魅力のひとつ。

安易なハッピーエンドより、絶望的なバッドエンドに希望をもたせるほうが、問いかけがあって面白いですよね。

あと、個人的にタイムリープものって意外に好きな映画が多く、「時をかける少女」もそうだったけど「バラフライエフェクト」や最近の作品だと「オール・ユー・ニード・イズ・キル」も、結構面白かった。

時間を戻すたびに学習していくんだけど、それもそれで実世界からどんどん遠ざかってしまうような。

キュゥべえの不気味さについて

何と言っても、この映画を際立たせているのは、地球外生命体のような得体のしれない存在「キュゥべえ」

人類の未来のような存在なんだけど、合理的に進化した結果、「感情」というものが失われてしまった知的生命体で、魔法少女になって葛藤して苦しむ登場人物たちにまったく感情移入せず、空気も読まない、情緒が欠落した存在。

感情の表現がないので、とても不気味なんだけど、どこか憎めないというか、とても本質的で、キュゥべえの投げかけてくる問い、にイラつきつつ、返せない人間的な弱さみたいなものを自省させられます。

たとえば、

「騙すという行為自体、僕たちには理解できない。認識の相違から生じた判断ミスを後悔する時、何故か人間は、他者を憎悪するんだよね。君たち人類の価値基準こそ、僕らは理解に苦しむなあ」(byキュゥべえ)

一瞬、喧嘩売っているように見えて、でも怒ったら、その通りになってしまう。

あえて怒らせているようにも見えるけど、情緒を排したきゅうべいの純粋に論理的な問いなだけに、なにも言えない。

むしろそうだよなぁ。と。

ツイッターとかにいたら、炎上させながら莫大なフォロワーを生み出しそうなキャラ。

感情が貴重な娯楽になる人類の未来

なぜ、キュゥべえが魔法少女をリクルーティングしているか?はこのアニメを見てもらうとして、このキュゥべえの存在を深読みしてみると、僕ら人類の次のステップというか、人類が発展していくために必要な問いにもつながると思う。

僕ら社会における問題の大部分は、このまどマギにあるような、承認欲求や人の役にたちたい、人との絆や友情、愛情を大切にしたいという「関係」たいする欲求にあると思う。それを渇望しつつ、その通りにならないから苦しんでしまう。

心理学者アドラーがいうように、「人間の悩みは、すべて対人関係にある」と。

でも、その多くは思い込みや共同幻想だったり、感情的なものによって必要以上に理性を抑え込んで自分を取り込んでしまうからであって、そうした情動性のない「キュゥべえ」はピンで地球にやってきて(実際はそうでもないけど)、常に冷静でまったく孤独感を感じさせない、自立した強さすら感じる。

「助けてー」とか言いながら、「という感情を表現してみました」みたいな不気味さが常に漂っている。

その点、主人公たちは、たった数名の友人のために傷ついたり葛藤を繰り返す。

そこで、またキュゥべえ。

 「今現在で69億人、しかも、4秒に10人づつ増え続けている君たちが、どうして単一個体の生き死ににそこまで大騒ぎするんだい?」(byキュゥべえ)

あぁ人間というのは、悩みたくて悩んでいるんだなぁと、遠い目をしてしまいそうな、地球外からの俯瞰発言にクラクラしっぱなしなんですが、この問いあたり、僕が一番好きな映画「ベルリン天使の詩」にも通じる。

人間の持つ感情や苦悩を俯瞰しながら、ベルリンのオッさん天使はその情動に憧れて人間によりそうけど、キュゥべえはその点冷静。でも、その対比のおかげで、そうした苦悩があるからこそ人間だとも思える。

とはいえ、そうした苦悩から逃れる一つのヒントがまさに「キュゥべえ」のような、感情を娯楽にしてしまうこと。

感情を排してしまうと人間らしくなくなるけど、過剰に感情に流されすぎず、あえて、その喜怒哀楽を客観的に味わって観る俯瞰思考があると、随分無駄な争いや悩みは軽減されるんじゃないかな。と。

まぁ、簡単なことではないけど、そんなことを思いつつ、主人公たちの葛藤にシンパシーをもちつつ、引き続き彼女らの行方を追ってみたいと思います。

おすすめ。